707/THE STORM/TWO FIRES

  • 707はアメリカのポップなロックバンド。キーボード中心のサウンドでコーラスもあったため、ポップなアメリカン・プログレッシブ・ハードロックとしても認識されている。
  • 2代目ボーカルのケヴィン・チャルファントは707脱退後、ザ・ストーム、トゥー・ファイアーズ等を結成。メロディアスなハードロックを量産している。

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707

1980年。ボーカル兼ギターのケヴィン・ラッセルを中心とするバンド。キーボードを含む4人編成。アメリカ・デトロイト出身。ドラム以外の3人にボーカルのクレジットがあり、3人ともリード・ボーカルとバック・ボーカルをやっていることになっている。キーボードはピアノを中心としたサウンドで、キーボードがメロディー演奏を担っている。コーラスはそれほど厚くない。最後の「ホール・ロット・ベター」はストリングスを入れたバラードで、ドラマチックですばらしい。全体的にシンプルなロック。「アイ・クッド・ビー・グッド・フォー・ユー」は全米52位。

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THE SECOND ALBUM

1981年。キーボードが抜け3人編成。キーボードはゲスト奏者が弾いている。ギターとボーカルがパワフルになった。キーボードの音も多彩。ランナウェイズのシェリー・カーリーが参加。全米159位。

3
MEGA FORCE

1982年。ボーカルにケヴィン・チャルファントが加入し、キーボードも入れて5人編成。オープニング曲はジャーニーのキーボード、ジョナサン・ケインが作曲にかかわっている。前作よりさらに華やかになった。ボーナストラックで「メガ・フォース」のライブ収録。全米129位。「メガ・フォース」は62位。

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TRIP TO HEAVEN/707 featuring KEVIN RUSSELL

2000年。事実上ケヴィン・ラッセルのソロ・アルバム。ドラムはハートのデニー・カーマッシ。ボーカル、ギター、ベース、キーボードはケヴィン・ラッセル。きらびやかさはない。オーソドックスなロック。

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THE BRIDGE

2004年。1982年に録音され、発売されなかったアルバム。ベースがボーカルを兼任している。「ザ・セカンド・アルバム」の路線。ボーナストラックがよい。

 
PHOENIX RISING/THE VU

2000年。707のボーカルのケヴィン・チャルファント、Y&Tのギターのステフ・バーンズ、ジャーニーのベースのロス・ヴァロリー、チューブスのドラム等によるバンド。1986年録音。キーボードと厚いコーラスが中心で、90年代以降の一連のバンドよりはるかに曲がよい。メロディーも抑揚が大きくつき、ケヴィン・チャルファントのボーカルも力強い。キーボード中心のハードロック。

 
THE STORM/THE STORM

1991年。707のボーカルのケヴィン・チャルファント、ジャーニーのキーボードのグレッグ・ローリー、ベースのロス・ヴァロリー、ドラムのスティーブ・スミスが結成。ギターを含む5人編成。同時期にジャーニーのニール・ショーン、ディーン・カストロノヴォ、ジョナサン・ケインはバッド・イングリッシュで成功していた。ザ・ストームも80年代型のハードロックをやっているが、バッド・イングリッシュよりもジャーニーに近いサウンドを出している。グレッグ・ローリーもリード・ボーカルをとる。「ショウ・ミー・ザ・ウェイ」「アイ・ウォント・ユー・バック」はすばらしい。アルバムの最初と最後は雷鳴。

 
EYE OF THE STORM/THE STORM

1997年。ドラムが交代。前作と同路線。グレッグ・ローリーがボーカルを取る曲が減っている。他の同ジャンルのバンドと比べても特に新しいことはやっていないが、ボーカルがすばらしいのでアダルト・オリエンテッド・ロックとして聞ける。

 
TWO FIRES/TWO FIRES

2000年。ザ・ストームのボーカル、ケヴィン・チャルファントとギターのジョシュ・ラモスが結成したバンド。キーボードを含む5人編成。ジャーニーのメンバーはいない。ザ・ストームの「アイ・オブ・ザ・ストーム」に近い。ハードな曲やオーソドックスなロック、AC/DCのようなロックもあるので、アダルト・オリエンテッド・ロックという印象はない。

 
IGNITION/TWO FIRES

2002年。事実上ギター以外のメンバーは全員入れ替わっており、ボーカルとギターによるプロジェクトになっている。作品を出すたびに売れる要素が減っている。

 
BURNING BRIGHT/TWO FIRES

2010年。ギター2、3人、キーボードを含む6、7人で録音されている。1980年代後半に定型化が完成したメロディアスなハードロックを忠実に再現している。ケヴィン・チャルファントのボーカルは高音が衰えていない。ジャーニーのようなサウンドを求める人のアルバムであることは否めない。