THE BEACH BOYS

  • 1960年代の若者の新しいリズムであったサーフィン、ホット・ロッドのグループとしてデビュー。
  • 60年代はサーフィンのイメージが強く、「ペット・サウンズ」は当初それほど評価されなかった。
  • 70、80年代は低迷期、90、2000年代は停滞期となっている。
  • 60年代後半のアルバムが評価されだしたのは90年代に入ってから。
  • ヒット曲の多くは60年代に集中し、80年代は「ココモ」がヒットしている。

1
SURFIN' SAFARI

1962年。ベースのブライアン・ウィルソンを中心とし、ギター2人の5人編成。曲のほとんどはブライアン・ウィルソン、ボーカルのマイク・ラブ、外部作曲家のゲイリー・アッシャーが作曲している。バックの演奏はシンプルで、コーラスが多い。歌詞もサーフィン、車、ファッション等で軽薄。「サマータイム・ブルース」はエディ・コクランのカバー。全米32位。「サーフィン」は75位、「サーフィン・サファリ」は14位、「409」は76位、「テン・リトル・インディアンズ」は49位。

2
SURFIN' U.S.A.

1963年。12曲のうち、インストが5曲ある。オープニング曲の「サーフィン・U.S.A.」は代表曲。ビーチ・ボーイズの代表的なアルバムは「ペット・サウンズ」という人もいるが、それが通じるのはロックを聞いている人だけで、一般的にはこのアルバムであることは間違いがない。「サーフィン・U.S.A.」はチャック・ベリーの「スウィート・リトル・シックスティーン」の歌詞を変えた曲。ドラムはハル・ブレインで、60年代のカリフォルニアでは非常に有名。全米2位。「サーフィン・U.S.A.」は3位、「シャット・ダウン」は23位。

SHUT DOWN

1963年。ビーチ・ボーイズ以外のバンドの曲も入ったオムニバス盤。全曲が車に関する曲。エンジンのふかし音を表現するため、多くの曲にホーン・セクションが入っている。ビーチ・ボーイズは「シャット・ダウン」と「409」の2曲。スーパー・ストックスの4曲はゲイリー・アッシャーが作曲。チアーズはボーカル・グループだが演奏はハード。全米7位。

3
SURFER GIRL

1963年。バックの演奏の質が上がっている。ギターが交代し、コーラスのできるギターが加入した。「サウス・ベイ・サーファー」はフォスターの民謡「遥かなるスワニー河」の歌詞を変えた曲。「ブギ・ウディ」はブライアン・ウィルソンによるブギウギ・ピアノが聞ける。リムスキー・コルサコフの「熊蜂の飛行」を元にした曲だというが、この曲はそのようなメロディーは一切ない。コーラスは全体的にファルセットが増えている。全米7位。「サーファー・ガール」は7位、「リトル・デュース・クーペ(いかしたクーペ)」は15位、「イン・マイ・ルーム」は23位。

4
LITTLE DEUCE COUPE

1963年。ホット・ロッドをテーマにしたアルバム。ホット・ロッドとはサーフィンの自動車版で、歌詞が自動車関連になる。サウンドはサーフィンと同じ。12曲のうち、「リトル・デュース・クーペ(いかしたクーペ)」「409」「シャット・ダウン」「僕等のカー・クラブ」は既に過去のアルバムに収録されている。演奏やサウンドが統一されていないので、やや散漫な内容だ。「ア・ヤング・マン・イズ・ゴーン」は初のア・カペラ。ジェームス・ディーンのことだという。全米4位。ビーチ・ボーイズのスタジオ・アルバムで売上枚数が100万枚を超えているのは「リトル・デュース・クーペ」と「ペット・サウンズ」と「スティル・クルージン」しかない。「ビー・トゥルー・トゥ・ユア・スクール」は6位。アルバムとは編曲が違う。

5
SHUT DOWN VOLUME 2

1964年。前作に続きホット・ロッド路線のアルバム。オープニング曲の「ファン・ファン・ファン」はカーペンターズがオールディーズ・メドレーでカバーした。「ドント・ウォリー・ベイビー」はメロディーが優れている。「ルイ・ルイ」はキングスメンのカバー。「シャット・ダウン・パート2」は作曲面での技巧が素人目にも感じられる。全米13位。「ファン・ファン・ファン」は5位。

6
ALL SUMMER LONG

1964年。ホット・ロッド、サーフィンから離れず、全体として若い男性の興味の対象である海、ドライブ、女性を歌っている。「リトル・ホンダ」のホンダはバイクの通称で、本田技研のこと。ホンデルスがカバーしている。全米4位。「アイ・ゲット・アラウンド」は初の1位、「ウェンディ」は44位、「リトル・ホンダ」は65位。

BEACH BOYS CONCERT

1964年。初のライブ盤。観客の歓声が大きい。「パサディナのおばあちゃん」はジャン&ディーンの、「ワンダラー」はディオンの、「レッツ・ゴー・トリッピン」はディック・デイルの、「ジョニー・B・グッド」はチャック・ベリーのカバー。「パパ・ウー・モウ・モウ」と「グラデュエーション・デイ」は後にスタジオ・バージョンも録音された。全米1位。

 
CHRISTMAS ALBUM

1964年。クリスマス・アルバム。12曲のうち5曲はブライアン・ウィルソン作曲のオリジナル曲、7曲はスタンダード曲。最後の曲は「蛍の光」。全米6位。

7
TODAY!

1965年。ブライアン・ウィルソンがスタジオ・ミュージシャンになってから最初のアルバム。コーラスの音域が広いために、R&Bのコーラス・グループに似た質の高いハーモニーが聞ける。R&Bのカバーも2曲ある。最後の曲は曲ではない。全米4位。「ダンス・ダンス・ダンス」は8位、「踊ろよ、ベイビー」は12位、「プリーズ・レット・ミー・ワンダー」は52位。

8
SUMMER DAYS(AND SUMMER NIGHTS !!)

1965年。ジャケットは夏を思わせるが、歌詞のほとんどは「女の子」だ。「ガール・ドント・テル・ミー」はビートルズの「涙の乗車券」を思い出す。「あの娘にキッス」はクリスタルズのカバー。「ヘルプ・ミー・ロンダ」は前作に入っていた曲をリメイクし、シングルにしたら全米1位となった。「アミューズメント・パークス・U.S.A.」はサウンドがテーマパーク風で歓声も入っている。全米2位。「ヘルプ・ミー・ロンダ」は1位、「カリフォルニア・ガールズ」は3位。

9
BEACH BOYS’ PARTY!

1965年。ライブ録音のようなサウンドのスタジオ盤。楽器はアコースティック。12曲のうち、ビーチ・ボーイズの曲は「アイ・ゲット・アラウンド~いかしたクーペ」のメドレーだけで、このアルバムでの新曲はない。ビートルズのカバーが3曲、ボブ・ディラン、エバリー・ブラザーズ、クリスタルズが1曲など。「アーリー・ウープ」のイントロはローリング・ストーンズの「サティスファクション」を借用。全米6位。「バーバラ・アン」は2位。この曲のボーカルはジャン&ディーンのディーン。

10
PET SOUNDS

1966年。ロックファンはこれがビーチ・ボーイズの最高傑作だとしている。ヒット性のある曲が少なく、メロディーやサウンドはこれまでのような分かりやすさがほとんどない。これを、現在では「プログレッシブ・ロック」と安易に呼ぶこともできようが、そのような呼び方がなかった当時、ふさわしい形容がないことによって作品の評価が宙に浮いた状態になり、「言葉」による特定ができない「不安」が発生したであろうことは想像できる。全米10位。「キャロライン・ノー」は32位、「スループ・ジョン・B」は3位、「素敵じゃないか」は8位、「神のみぞ知る」は39位。

11
SMILEY SMILE

1967年。前作の雰囲気を残しながら、ややポップな曲も含まれる。全員がコーラスをするという部分は少なくなったように感じる。ビートルズのポール・マッカートニーが参加。全米41位。「グッド・ヴァイブレーションズ」は1位、「英雄と悪漢」は12位。

12
WILD HONEY

1967年。ブルース・ジョンストンが正式に加入し6人編成。キーボードやホーン・セクションがモータウンを中心とするソウルの雰囲気を出すが、ピアノとドラムがリズムを刻むホランド・ドジャー・ホランド作品のようなポップさではない。ローリング・ストーンズが解釈したソウルに近い。「ペット・サウンズ」や「スマイリー・スマイル」よりはロック寄りだ。「愛するあの娘に」はスティービー・ワンダーのカバー。全米24位。「ワイルド・ハニー」は31位、「ダーリン」は19位。

13
FRIENDS

1968年。リラックスしており、ポップな曲はない。アップテンポな曲もないので地味な印象だ。アコースティック・ギターが多い。全米126位。「フレンズ」は47位。

14
STACK-O-TRACKS

1968年。過去に発表した曲のボーカルとコーラスを消したインスト盤。「恋のリバイバル」は「20/20」の曲なので当時は未発表曲。チャートインせず。

15
20/20

1969年。「フレンズ」の路線で、普通のポップスが多い。ドローン効果を用いたサウンドが多いのは、東洋風、インド風の音が流行した影響か。「コットン・フィールズ」は民謡、「タイム・トゥ・ゲット・アローン」はスリー・ドッグ・ナイトの前身バンドへの提供曲。全米68位。「恋のリバイバル」は20位、「青空のブルーバード」は61位、「アイ・キャン・ヒアー・ミュージック」は24位、「コットン・フィールズ」はチャートインせず。

16
SUNFLOWER

1970年。クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングの成功に影響されたかのような、控えめなリード・ボーカル。コーラスは以前ほど派手ではないが、あくまでもバックコーラスとして機能する。全米151位。「アド・サム・ミュージック・トゥ・ユア・デイ」は64位、「スリップ・オン・スルー」「ティアーズ・イン・ザ・モーニング」「クール・クール・ウォーター」はチャートインせず。

17
SURF'S UP

1971年。オープニング曲の「ドント・ゴー・ニア・ザ・ウォーター」は水を表現したサウンドが聞かれる。69年のフェランテ&タイシャーの「真夜中のカーボーイ」を意識したか。「スチューデント・デモンストレーション・タイム」はクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングの「オハイオ」と同じ事件を扱っている。全体に実験色が濃く、同時代的だ。プログレッシブ・ロック風だとも言える。「ルッキン・アット・トゥモロウ(ア・ウェルフェア・ソング)」はアニマルズの「朝日のあたる家」を思い出させる。全米29位。「ロング・プロミスト・ロード」は89位、「サーフズ・アップ」はチャートインせず。

18
SO TOUGH/CARL AND THE PASSIONS

1972年。ギターのブルース・ジョンストンが抜け、アフリカ系のドラムとギターが加入。7人編成。オープニングからボーカルやサウンドが明らかにソウル、R&B風で、白人とアフリカ系の間に存在する音楽センスの大きな違いを認識する。前作まで使われていたシンセサイザーがオルガンに変わったこともソウル風サウンドになった要因のひとつ。「カドル・アップ」はいい曲だが、ストリングスが入った曲は好意的に受け取り、ソウル風の曲は否定的に聞く思考停止は避けたい。「ホールド・オン・ディア・ブラザー」はカントリー・ロック。全米50位。「ユー・ニード・ア・メス・オブ・ヘルプ・トゥ・スタンド・アローン」「マーセラ」はチャートインせず。

19
HOLLAND

1973年。オランダで録音したので「オランダ」という。特徴をとらえるのが難しいアルバム。初めて組曲を取り入れている。最後の6曲は「ヴァーノン山と小道」というおとぎ話。全米36位。「セイル・オン・セイラー」は79位、「カリフォルニア・サーガ」は84位。

 
IN CONCERT

1973年。ライブ盤。「ウィ・ガット・ラブ」はこのライブ盤のみに収録。「オランダ」の路線。「リーヴィング・ディス・タウン」はオルガン・ソロか。全米25位。

ENDLESS SUMMER

1974年。ベスト盤。全米1位。

SPIRIT OF AMERICA

1975年。ベスト盤。全米8位。

20
15 BIG ONES

1976年。アフリカ系ギターとドラムが抜け、5人編成。15曲のうち、8曲がカバー。オールディーズ・ブームで売れた。チャック・ベリーの「ロック・アンド・ロール・ミュージック」とデキシー・カップスの「チャペル・オブ・ラブ」は有名曲。全米8位。「ロック・アンド・ロール・ミュージック」は5位、「イッツ・OK」は29位、「エブリワンズ・イン・ラブ・ウィズ・ユー」はチャートインせず。

BEACH BOYS ’69 (THE BEACH BOYS LIVE IN LONDON)

1976年。ライブ盤。全米75位。

21
LOVE YOU

1977年。ほとんどのサウンドをキーボードで演奏し、ギターはほとんど出てこない。シンセサイザーの音も厚い。メロディーはポップ。メンバーの加齢に伴ってボーカルがややソウルに近くなっている。全米53位。

22
M.I.U. ALBUM

1978年。ファルセットを多用してコーラスが久しぶりに厚くなり、ビーチ・ボーイズとしてはオーソドックスなサウンド。「カム・ゴー・ウィズ・ミー」はイントロが有名。ドゥー・ワップのカバー。「ペギー・スー」はバディー・ホリーの有名曲のカバー。A面は全体にオールディーズ風の作りだ。全米151位。「ペギー・スー」は59位。

23
L.A.(LIGHT ALBUM)

1979年。ギターのブルース・ジョンストンが復帰し6人編成。アダルト・オリエンテッド・ロックもあり、ディスコもあり、神戸の須磨海岸が出てくる「想い出のスマハマ」があり、バラエティーに富んだアルバム。ディスコになっている「ヒア・カムズ・ザ・ナイト」は「ワイルド・ハニー」に収録されていた曲のリメイクで、10分を超える。「レディ・リンダ」のイントロとエンディングはバッハのカンタータ「主よ人の望みの喜びよ」を借用。「ラブ・サラウンズ・ミー」ではフリートウッド・マックのクリスティン・マクヴィーが参加している。全米100位。「ヒア・カムズ・ザ・ナイト」は44位、「グッド・タイミン」は40位、「レディ・リンダ」はチャートインせず。

24
KEEPIN' THE SUMMER ALIVE

1980年。2曲はゲス・フー、バックマン・ターナー・オーバードライブのランディー・バックマンが作曲に関わっている。曲によってサウンドのスタイルがはっきり違っており、「サム・オブ・ユア・ラブ」は60年代前半のコーラスが復活。「ゴーイン・オン」はアダルト・オリエンテッド・ロック。「スクール・デイ(リン!リン!ゴーズ・ザ・ベル)」はチャック・ベリーのカバー。全米75位。「ゴーイン・オン」は83位。

TEN YEARS OF HARMONY

1981年。「サンフラワー」から「キーピン・ザ・サマー」までのベスト。2枚組で29曲。「サン・ミゲル」と「シー・クルーズ」の2曲はアルバム未収録曲。「リバー・ソング」はデニス・ウィルソンのソロ・アルバム収録曲。

 
RARITIES

1983年。未発表音源集。「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」はビートルズの、「あの娘のレター」はボックス・トップスのカバー。「ローズ・プレイヤー」はシスター・ジャネット・ミードの「永遠の祈り」のカバーではない。スターズ・オン45の「ショッキング・ビートルズ」に影響され、81年に発売されたビーチ・ボーイズ・メドレー3曲も収録。「メドレー」は全米12位。

25
THE BEACH BOYS

1985年。デニス・ウィルソンが死亡し、5人編成。プロデューサーがカルチャー・クラブをヒットさせた人なので、サウンドもキーボード中心、エコーは深いが残響は短い。ドラムも含めて、ほとんどの演奏をキーボードで行っている。「カリフォルニア・コーリング」のドラムはビートルズのリンゴ・スター。「アイ・ドゥ・ラブ・ユー」はスティービー・ワンダー作曲で、ギター、ベース、ドラムもスティービー・ワンダーが演奏、キーボードは別の人。2曲でゲイリー・ムーアがギターを弾いているが、ビーチ・ボーイズでもスタイルを変えない弾き方。80年前後のアルバムと同じく、アダルト・オリエンテッド・ロックの影響が強いが、「カリフォルニア・コーリング」はデビュー当時の陽気なメロディーが聞かれる。全米52位。「ゲッチャ・バック」は26位、「イッツ・ゲッティン・レイト」は82位、「シー・ビリーブス・イン・ラブ・アゲイン」はチャートインせず。

MADE IN U.S.A.

1986年。ベスト盤。新曲2曲を含む。「カリフォルニア・ドリーミン」はママス&パパスの「夢のカリフォルニア」のカバー。バーズのロジャー・マッギンが参加している。全米96位。「ロックンロール・トゥ・ザ・レスキュー」は68位、「カリフォルニア・ドリーミン」は57位。

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STILL CRUISIN’

1989年。10曲のうち7曲は映画で使われた曲。このうち3曲は過去の収録曲と同じ。「ココモ」と「サムホエア・ニア・ジャパン」はテリー・メルチャーとママス&パパスのジョン・フィリップスが作曲に参加、「ココモ」は「花のサンフランシスコ」で有名なスコット・マッケンジーも参加している。オリジナル・スタジオ盤としての性格が非常に薄い。「サムホエア・ニア・ジャパン」は日本近海で沈没してゆく密航船の女性から救助を求める電話が入るという歌詞。全米46位。200万枚。スタジオ盤ではビーチ・ボーイズ史上最高の売り上げ。「ココモ」は1位、「スティル・クルージン」は93位、「ワイプ・アウト」は12位。

27
SUMMER IN PARADISE

1992年。通常の形では最後のスタジオ盤。12曲のうち、4曲は60年代、1曲は70年の作曲。1曲目の「ホット・ファン・イン・ザ・サマータイム」はスライ&ファミリー・ストーンのカバー、2曲目の「サーフィン」は再録音。「リメンバー・渚のおもいで」はシャングリ・ラスのカバー、「渚のボードウォーク」はドリフターズのカバー。アルバムタイトル曲は歌詞の中に「バーバラ・アン」や「ココモ」を出して懐古趣味を満たしつつ、オゾン層にも言及して環境問題を扱う。全体的にドラムの音が乾いており、低音の重さはない。作曲、演奏を両方こなすのはマイク・ラヴ、テリー・メルチャー、ブルース・ジョンストンの3人で、カール・ウィルソンとアル・ジャーディンはボーカルのみ。演奏は10人以上が参加しているので、実質的なビーチ・ボーイズは5人と解釈してもいいだろう。日本盤は93年発売。

GOOD VIBRATIONS BOX

1993年。6枚組ベスト盤。未発表曲多数。

STARS AND STRIPES VOL.1

1996年。カントリー歌手によるカバー曲集。コーラスはビーチ・ボーイズ。全米101位。

PET SOUNDS SESSIONS

1997年。「ペット・サウンズ」の未発表音源集。4枚組。

ENDLESS HARMONY

1998年。未発表音源集。

THE GREATEST

1998年。ベスト盤。日本のみの発売。

CALIFORNIA FEELIN'

2002年。ブライアン・ウィルソンの新曲1曲を含むベスト盤。

SMILE/BRIAN WILSON

2004年。1967年ごろに発表する予定だったアルバムを、ブライアン・ウィルソンが再録音して発表。声が衰えた時期に録音しているのでなめらかな深みのあるボーカルではない。曲は緊張感のある緻密なコーラスを多用し、当時のレコード会社が難色を示す理由がよくわかる。ブライアン・ウィルソン個人が才能のある作曲者、編曲者であることは理解できるが、聞く方は一般大衆や若者であり、クラシックのように分析的に聞くわけではない。体に対する直接的な刺激は大きくない。

SMILE

2011年。1966年の「ペット・サウンズ」の後発売される予定だった「スマイル」の完成盤。ブライアン・ウィルソンがプロデューサーとなっている。録音は1966年頃。録音自体は未完成だが、曲としては素材の不完全さをうかがわせる部分はない。ビートルズに影響されたと思われるサウンドや高度なコーラスでほとんどの曲に緊張感がある。高度でありながら曲はポップだ。「英雄と悪漢」「グッド・ヴァイブレーション」収録。

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THAT'S WHY GOD MADE THE RADIO

2012年。邦題「ゴッド・メイド・ザ・ラジオ~神の創りしラジオ~」。ブライアン・ウィルソンが参加したことで話題になっている。ビーチ・ボーイズのメンバーはボーカルとコーラスを担当し、楽器の演奏はビーチ・ボーイズのバックバンドのメンバーがやっている。明るめだがテンポは緩やかで、ロックよりはポップスのサウンドに近い。高い声が出せなくなっているためメロディーやコーラスの幅に制限が出て、以前ほどの高揚感は出せない。全曲が新曲。曲ごとに作曲者、演奏者の名前が記されており、「今がその時」はサバイバーのジム・ピートリック、「パシフィック・コースト・ハイウェイ」はボン・ジョヴィのジョン・ボン・ジョヴィが作曲者として参加している。