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ENYA

1 THE CELTS 1987年。邦題「アイルランドの風」。英BBCのドキュメンタリーのバック音楽をまとめたアルバム。ピアノとシンセサイザーとボーカルの多重録音が中心で、ドラムやギターは出てこない。イーリアン・パイプとバイオリンは使用。15曲のうち、歌詞があるのは6曲。リズムの刺激はほとんどなく、不自然なメロディーもあまりない安寧を誘うサウンド。ボーカルもバックの演奏も音が柔らかい。全英9位、全米6位。アメリカでは全アルバムの中で最高位。
2 WATERMARK 1988年。エンヤ名義では最初のアルバム。「オリノコ・フロウ」が世界的にヒットし、代表曲となった。前作に続き浮遊感のあるサウンド。11曲のうちインスト3曲、アイルランド語の歌詞が4曲、英語が4曲。「イブニング・フォールズ・・・」はボーカルが前に出る。「オリノコ・フロウ」は全英1位、全米24位、「イブニング・フォールズ・・・」は全英20位、「ストームス・イン・アフリカ」は41位、アルバムは全英5位、全米25位、400万枚。
  EXILE 1991年。映画の挿入曲を4曲収録したシングル。「ウォーターマーク」と「リヴァー」はインスト。
3 SHEPHERD MOONS 1991年。イギリスではこのアルバムで人気が頂点に達した。アメリカでは238週チャートに入るロングセラーとなっている。アーティストのオリジナル・アルバムとしては、すべてのジャンルを含めて歴代11位の長期ヒットで、それより上は名だたるアーティストしかいない。「カリビアン・ブルー」は全英13位、全米79位、「キープ・フロム・シンギング」は全英32位、「ブック・オブ・デイズ」は10位、アルバムは全英1位、全米17位、500万枚。
4 THE MEMORY OF TREES 1995年。「エニウェア・イズ」はエンヤの曲の中で最もポップで、打楽器によるリズムも明確に聞こえる。他の曲についても以前よりボーカルが前に出て、リズムがある。雰囲気は十分残しているが、かなりポップ化したと言える。「エニウェア・イズ」は全英7位、「オン・マイ・ウェイ・ホーム」は26位、アルバムは全英5位、全米9位、300万枚。
  PAINT THE SKY WITH STARS - THE BEST OF ENYA 1997年。ベスト盤。新曲2曲を含む。「オンリー・イフ」は全英43位、全米88位、アルバムは全英4位、全米30位、200万枚。
5 A DAY WITHOUT RAIN 2000年。「メモリー・オブ・トゥリーズ」の路線を踏襲し、ポップだ。「シェパード・ムーン」以前のエンヤは、悪く言えば現実から乖離した世界におり、それが堅苦しさを感じさせない雰囲気として好意的に評価されていた。ポップス・ロックの世界で、それを個性として他との差別化を図ることは極めて妥当な行き方である。しかし、今回のエンヤのアルバムは、歌詞を現実世界に沿ったテーマに下ろしてきたことによって、一般のポップス作品と同じラインで評価されることが予想される。アイルランド語で自然讃歌を歌って安定した評価を得ることも一つの選択肢であったが、そうしなかったところにエンヤの芸術的挑戦志向があらわれている。全米17位。
  ONLY TIME 2000年。シングル盤。「ザ・プロミス」はアルバム未収録曲のインスト。
6 AMARANTINE 2005年。マグマやアディエマスと同じように、創作された言語を使った曲が3曲ある。音楽のリズムは作曲する人の母国語に左右されやすいが、そのこと自体は作曲者には気付かれにくい。リズムと言葉の関係に興味を持った者が、新しい言語を作って音楽に応用しようとするのは70年代から行われている。このアルバムでは、そうした試みがただちにサウンドに変化を与えているとは思われないが、これから別の試行錯誤を重ねていくとは期待できる。「菫草(すみれぐさ)」は日本語の歌詞。アルバム全体としては従来の路線。
7 AND WINTER CAME... 2008年。邦題「雪と氷の旋律」。冬に関する曲が多い。ジャケットも白で統一されている。最後の曲の「イーハ・ヒューイン(きよしこの夜)」以外は英語で歌われ、前作のような音楽的挑戦はないようだ。サウンドもいつもどおりで、輪郭をあいまいにし、ボーカルも多重録音を多用する。イメージ通りに進みすぎて、新鮮味に乏しくなってきた。

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