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THE HOLLIES

1 STAY WITH THE HOLLIES 1964年。ギター2人の5人編成。60年代前半に出てきたビートルズやローリング・ストーンズ、ハーマンズ・ハーミッツ、マンフレッド・マンなどともにイギリスのビート・グループのひとつとして人気を得た。14曲のうちメンバーによる作曲は1曲。チャック・ベリーやリトル・リチャードのカバーをやっている。当時としてはかなりハードなサウンドだったと思われる。「ミスター・ムーンライト」はビートルズがカバーしたのと同じ曲。「ロッキン・ロビン」はマイケル・ジャクソンのカバーと同じ。「ルシール」はリトル・リチャードのカバー。一般の洋楽ファンにも分かるのはこの3曲くらい。日本盤にはボーナストラックが9曲あり、自作曲は2曲。
2 IN THE HOLLIES STYLE 1964年。12曲のうち、メンバーによる作曲が8曲。サウンドもコーラスを主体としたロックで、このアルバムでバンドの個性を確立したといってよい。ロックン・ロールのカバーが逆にアルバムの中で浮いている感じだ。日本盤はボーナストラックに「ジャスト・ワン・ルック」「イエス・アイ・ウィル」収録。
3 HOLLIES 1965年。自作曲は減ったがサウンドは前作の路線。「ミッキーズ・モンキー」はミラクルズのカバー。「ローディ・ミス・クローディ」はバッキンガムズが派手なホーン・セクションでカバーした曲と同じ。
4 WOULD YOU BELIEVE? 1966年。ベースが交替。「スウィート・リトル・シックスティーン」はビーチ・ボーイズが「サーフィン・USA」のもとにしたチャック・ベリーの曲のカバー。「フィフィ・ザ・フリー」「アイ・キャント・レット・ゴー」収録。日本盤ボーナストラックに「バス・ストップ」収録。「ア・テイスト・オブ・ハニー(蜜の味)」はハーブ・アルパート&ティファナ・ブラスのカバーで、ビートルズもカバーしている。
5 FOR CERTAIN BECAUSE... 1966年。バンジョーが何曲にも使われ、アメリカの雰囲気がある。12曲全曲がボーカルとギター2人によって作曲されている。ホーン・セクションや木管楽器も使われ、サウンドが豪華だ。
6 EVOLUTION 1967年。サウンド上の挑戦が比較的多く、好奇心旺盛であることが聞いていて分かる。この年は英米のロック、ポップスにサイケデリック・ブームが起こり、ビートルズ、ジミ・ヘンドリクス、ジェファーソン・エアプレイン、バーズ等が音楽上の表現領域を拡大していた。このアルバムもその流れの中にある。ジャケットもサイケデリックだ。メロディーは変わらないが、演奏の仕方や楽器の使い方で試行錯誤しているサウンド。バイオリン、パーカッション、ホーン・セクション、ハープシコードなど使用。
7 BUTTERFLY 1967年。前作の路線だが、サウンドの工夫は前作ほどではなく、やや落ち着いている。爽快なポップスが少ない。
8 HOLLIES SING DYLAN 1969年。ギターのグラハム・ナッシュが抜け、エスコーツのテリー・シルベスターが加入。全曲がボブ・ディランのカバー。「風に吹かれて」「時代は変わる」「アイ・シャル・ビー・リリースト」等の有名曲が多い。公式には1975年に発売される「地下室(ザ・ベースメント・テープス)」収録の「火の車」も含まれている。「私のお願い」「マイ・バック・ペイジズ」はバーズ、「マイティ・クイン」はマンフレッド・マンのカバーで有名。有名曲は有名なだけに原曲と比較され、アレンジが今一歩だと感じてしまう。日本盤ボーナストラックに「ごめんねスザンヌ」収録。
9 SING THE HOLLIES 1970年。ソウル寄りの曲とアコースティック・ギター主体の曲と従来のコーラス・ハーモニーを駆使した曲が混在。「エヴォリューション」のような凝ったサウンドではなく、一般的な楽器でオーソドックスに録音している。オープニング曲はスモーキー・ロビンソンのような曲。
10 MOVING FINGER 1970年。バックの演奏をオーケストラで飾る曲が多くなった。イギリスでは「コンフェッションズ・オブ・ザ・マインド」のタイトルでジャケットも異なる。
11 DISTANT LIGHT 1971年。ボーカルとギターの2人が、2つのグループに別れて作曲している。それぞれ曲の雰囲気も違う。アラン・クラークのグループはトニー・マコーレイやロジャー・グリーナウェイと共作し、メンバーによるコーラス・ハーモニーを使う。トニー・ヒックスのグループはソロ指向の曲が多い。しかし、いずれにしても曲のインパクトが弱い。トニー・マコーレイやロジャー・グリーナウェイのような大物作曲家が、いつもの目の覚めるようなメロディーを出せなかったのが響く。「喪服の女」はヒット。
12 ROMANY 1972年。ボーカルのアラン・クラークが抜け、スウェーデン人のミカエル・リックフォーズが加入。ミカエル・リックフォーズはアラン・クラークほど高い声ではなく、声はやや固めだ。曲が前作のトニー・ヒックス路線なので、ボーカル・ハーモニーを生かすまでには至っていない。アメリカン・ロックに近くなった。「マジック・ウーマン・タッチ」収録。
13 OUT ON THE ROAD 1973年。イギリスでは発売されず、ドイツなどで発売。オーソドックスなポップスにハーモニーがからむ従来の曲調。ボーカルが替わったならサウンドもやや変わってもよかった。「ザ・ラスト・ウィンド」「トランスアトランティック・ウェストバウンド・ジェット」はクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングのようなサウンド。日本盤はボーナストラックが7曲あり、そのうち1曲はアラン・クラークがボーカル。
14 HOLLIES 1974年。ボーカルにアラン・クラークが復帰。バンド・サウンドが強くなり、ロックに寄った。ボーカルは黒人並みにパワフルに歌うところもあり、ホリーズのなかではロックン・ロールの傾向が強い。コーラスも戻り、バラードの「安らぎの世界へ」は大ヒット。
15 ANOTHER NIGHT 1975年。オーケストラとキーボードを本格的に使用。ピアノはトニー・ハイマス、ムーグはアラン・パーソンズが演奏している。ムーグはポール・マッカートニーが所有するムーグだと明記されている。曲もサウンドもすばらしく、「エヴォリューション」以来の名作。ブルース・スプリングスティーンの「7月4日のアズペリー・パーク」をカバー。他の9曲はメンバーによる作曲で、サビはほとんどが「安らぎの世界へ」のような高い声のコーラス。ボーナストラックの「明日なき暴走」はブルース・スプリングスティーンのカバーで、アラン・クラークのソロとして収録されている。バックの演奏はホリーズだという。
16 WRITE ON 1976年。前作に続きオーケストラを使用し、トニー・ハイマスがピアノを演奏。オープニング曲ではシンセサイザーのアープが使われる。全体的にキーボードが多めで、ギターが相対的に少ない。ややソフトなサウンド。
17 RUSSIAN ROULETTE 1976年。アメリカで流行していたディスコを一部取り入れている。オープニング曲の「ウィグル・ザット・ウォットシット」はそうした曲。それ以外は特に目立つような曲ではなく、結局ディスコ風の曲が浮いている感じだ。金管楽器は複数の曲で使われている。
18 A CRAZY STEEL 1978年。サックスを取り入れ、バックにはオーケストラが入る。時代の流行に合わせ、アダルト・オリエンテッド・ロックに近い作風だ。
19 FIVE THREE ONE-DOUBLE SEVEN O FOUR 1979年。邦題「531-7704」。10曲のうち、メンバーによる作曲は「サテライト・スリー」の1曲だけ。ポップスのカバー集と解釈しても間違いとは言えない。「ハーレクイン」はプロコル・ハルムのボーカル、ゲイリー・ブルッカーが参加。
20 BUDDY HOLLY 1980年。1950年代後半に活躍したロックン・ロール歌手、バディ・ホリーのカバー集。バディ・ホリーはロックン・ロールが急激に流行していた50年代後半に、エルヴィス・プレスリー、リッチー・ヴァレンス、エディ・コクランらとともに人気があった白人ロックン・ロール・アーティスト。人気が絶頂だった1959年に事故死しているため、懐古調で伝説的に語られる。60年代のロックン・ロール・バンドに影響を与え、ホリーズのバンド名の由来になったとされる。16曲全曲がバディ・ホリーのカバーで、代表曲である「ペギー・スー」がオープニング曲になっている。アルバムの後半に有名曲を置いている。バディ・ホリーの出世作の「ザットル・ビー・ザ・デイ」、生前の最後のシングル「イット・ダズント・マター・エニーモア」、「ペギー・スー」に次ぐ代表作「エヴリデイ」を連続で収録し、最後はフェードインとフェードアウトを繰り返すメドレーになっている。ホリーズの演奏スタイルはこれまでのコーラス多用ポップス。このアルバムで解散。
21   WHAT GOES AROUND 1983年。
  THE BEST OF THE HOLLIES 1996年。ベスト盤。
  THE GOLD COLLECTION 1997年。ベスト盤。
  THE HOLLIES AT ABBEY ROAD 1998年。イギリスのアビー・ロード・スタジオで録音された曲のベスト盤。未発表曲4曲収録。
22 STAYING POWER 2006年。ギター2人、キーボードを含む6人編成。デビュー当時のメンバーはギターの1人とドラムの2人。ドラム以外の5人がボーカルをとっていることになっている。キーボードを中心にしたポップス。コーラスは付くが、70年代の美しさはない。ボーカル・アルバムとあまり変わらない。13曲すべてに邦題がついている。

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