THE JESUS AND MARY CHAIN

  • 1990年代前半のイギリスのシューゲイザーのルーツとなったバンド。4人編成。ボーカルのジム・リードとギターのウィリアム・リードを中心とする。
  • デビュー盤の「サイコ・キャンディ」はギターが音階を把握しにくいくらいにディストーションがかかっており、ノイズとギターを一体化した新しいサウンドとして注目された。
  • 2枚目以降はアルバムごとにサウンドを変える。

1
PSYCHOCANDY

1985年。ギターが当時の常識的な音を逸脱し、耳障りな感覚を意識的に採用したような音だ。電気的な不協和音やハウリングも音として利用している。音響上のノイズを、録音設備の不足としてではなく音楽的な効果として利用したところに意味があり、ガレージロックとの違いでもある。ギター以外のボーカルやベース、ドラムはややエコーが深くかかっている以外に大きな特徴はなく、メロディーも一般的だ。「ジャスト・ライク・ハニー」「ネヴァー・アンダースタンド」「ユー・トリップ・ミー・アップ」収録。アルバムタイトルは麻薬を意味するとみられる。ドラムはボビー・ギレスピーで、現在プライマル・スクリームのボーカル。

2
DARKLANDS

1987年。ドラムが交代。前作のようなギターはなくなり、一般的なロックバンドのギターとなっている。その分メロディーが聞き取りやすくなり、60年代風であったりニュー・ロマンティックスであったりという、もともと持っていた個性が見えやすくなっている。「チェリー・ケイム・トゥー」はビーチ・ボーイズ風のメロディー。

3
AUTOMATIC

1989年。ボーカル兼ギターのジム・リードとギター兼ボーカルのウィリアム・リードによってほとんどの音を作っている。アップテンポのロックンロールが多く、60年代風のポップな曲はほとんどない。アルバムごとにサウンドが変わることを示している。サウンドの中心はプログラミングによるドラムとなり、ギターは2番手となっている。「UV・レイ」はプログラミング特有のクラブミュージックのようなリズム。「テイク・イット」はディストーションの効いたギターが一部で復活している。「サンレイ」はプログラミングのドラムに即興のギターがからむ1分半のインスト曲。

4
HONEY'S DEAD

1992年。ストーン・ローゼズ、ハッピー・マンデーズ等の影響を受けたようなダンス調のリズム、サイケデリックで不協和音の多いギターで、また前作とは異なるサウンド。イギリスのセカンド・サマー・オブ・ラブに対応している言えるが、やや出遅れ気味か。

5
STONED & DESHRONED

1994年。アコースティックギターとエレキギターを使ったミドルテンポの曲が増えた。従ってアコースティックギターが中心となったと理解されているが、エレキギターによるロックもある。アメリカの風景が想像できるような大陸的なロック、ブルースロック、ロックンロールで、ずっと維持し続けていたニューウェーブ風の雰囲気は薄れている。変化の多いバンドだが、アメリカ志向になったというところが新しさか。

6
MUNKI

1998年。