KULA SHAKER

  • イギリスのロックバンド。オルガン奏者を含む4人編成。ボーカル兼ギターのクリスピアン・ミルズが中心。
  • 60、70年代風の古風なロック。東洋趣味も60年代風。
  • 代表作は「K」、代表曲は「ゴヴィンダ」「ヘイ・デュード」「ハッシュ」。
  • 2000年代前半は解散しており、クリスピアン・ミルズは「ザ・ジーヴァズ」を結成していた。

 
GRATEFUL WHEN YOU'RE DEAD

1996年。ボーカル兼ギター、ベース、ドラム、オルガン奏者の4人編成。イギリス出身。ボーカル兼ギターのクリスピアン・ミルズを中心とする。ロックン・ロールのエネルギーをギターとオルガンに込めたロック。「ダンス・イン・ユア・シャドウ」はビートルズの「ノルウェイの森」を思い起こさせる。アルバムの発売前に出た6曲入りEP盤。うち5曲はアルバム未収録曲。

1
K

1996年。時折シタールやパーカッションが使われ、ジャケットも東洋趣味があるが、それを明確に打ち出しているのは13曲のうち3曲。それ以外の曲はロックン・ロール。ワウがかかったギターとオルガンの組み合わせは、70年代から相性がいい。エレクトロニクスやプログラミングを使わないところが流行と一線を画しており、古風なロックを好むファンから支持される。

 
HEY DUDE

1996年。EP盤。5曲入り。「クリスピアン・リーディング・フロム・ザ・マハーバーラタ」はヒンドゥー教の聖典、マハーバーラタの朗読。

 
HUSH

1997年。ミニアルバム。「ハッシュ」はジョー・サウスのカバーで、ディープ・パープルのデビュー・シングルとして有名。「ザ・リーク」は曲ではなくラジオと思われる番組の一部。ライブ3曲収録。

 
MYSTICAL MACHINE GUN

1999年。シングル盤。5曲収録。「ギター・マン」「ホーリー・リヴァー」は「K」のサウンド。「アヴァロニア」はアコースティック・ギターの曲。

2
PEASANTS、PIGS&ASTRONAUTS

1999年。楽器の数が大幅に増え、サウンドが華やかになった。ホーン・セクション、シンセサイザー、民族楽器が音のすき間を埋め、前作とはかなり異なる雰囲気だ。シンセサイザーは70年代の音を模倣しているので、アナログの感覚は残っている。曲もすばらしく、東洋趣味とロックン・ロールの折衷としては傑作だろう。このアルバムで一時活動停止する。

KOLLECTED THE BEST OF

2003年。ベスト盤。

 
REVENGE OF THE KING EP

2006年。EP盤。オルガン奏者が交代。5曲入り。デビューアルバム「K」よりもややオルガンが引き気味だ。「ゴヴィンダ」は余裕のある歌い方のライブ。

 
FREEDOM LOVIN' PEOPLE EP

2007年。EP盤。5曲入り。「ビッグ・バッド・ウルフ」「アウト・オン・ザ・ハイウェイ」「サム・グッド・リーズン」はアルバム未収録曲。「サム・グッド・リーズン」はベースがボーカルをとる。日本盤は裏ジャケットに通し番号が振られている。

3
STRANGEFOLK

2007年。12曲を前半の6曲と後半の6曲に分け、前半をロックン・ロール、後半をアコースティック・サウンドとしている。アナログ盤のA面とB面を意識した分け方だ。後半に入っている「シックス・フィート・ダウン・ブルーズ」はロックサウンド。ロックン・ロールの曲では少ないながらもホーン・セクションやコーラスが入り、東洋的な雰囲気を出す曲もある。ただ、以前ほどあからさまではない。アコースティック・サウンドの曲ではオルガンのほかピアノも使われる。「ハリケーン・シーズン」はボブ・ディランのような歌い方。

4
PILGRIMS PROGRESS

2010年。オープニング曲の「ピーター・パンよ、安らかに」はストリングスがメロディー楽器になっており、聞き手を驚かせる。ロックン・ロールとアコースティック・サウンドが均等に登場する。このアルバムのハイライトは最後の「ウィンターズ・コール」だろう。オルガン、ギター、パイプオルガンで壮大に盛り上げる。「オフィーリア」はタイトルからしてシェークスピア(「ハムレット」)やミレイを思わせ、歌詞もそれを題材としているようだ。