| 1 |
 |
PABLO HONEY |
1993年。ギター2人の5人編成。この時期にデビューした多くのアーティストと同じく、ヘビーメタル、ハードロックに対する嫌悪感があるようだ。サウンドは暗めで、ボーカルはあまり力を込めて歌わない。自然さがあり、語りに近いニュアンスのボーカルだ。「クリープ」がヒット。「ユー」「エニイワン・キャン・プレイ・ギター」収録。 |
| |
 |
CREEP |
1993年。シングル盤。日本発売は1994年。「イエス・アイ・アム」はアルバム未収録曲。 |
| |
 |
ITCH |
1994年。日本仕様の独自盤。「ストップ・ウィスパリング」はU2に似たボーカルの曲のアメリカ・バージョン。シングルのB面3曲、ライブ3曲、「クリープ」のアコースティック・バージョン収録。 |
| 2 |
 |
THE BENDS |
1995年。前作の雰囲気を残しながら、ボーカルに力強さが出てきた。曲によってきちんと歌い方を変える。U2がエレクトロニクスを導入した方向に進まなければ、こういうサウンドになったであろうという音。曲もよくなった。「ストリート・スピリット」は名曲。「マイ・アイアン・ラング」「ハイ・アンド・ドライ」「フェイク・プラスティック・トゥリーズ」「ジャスト」「プラネット・テレックス」収録。 |
| 3 |
 |
OK COMPUTER |
1997年。憂鬱さを前面に出し、ストリングスやキーボード、サウンド効果を使ってひたすら暗く、緊張感漂う雰囲気にしている。多くがミドルテンポで、音の数はそれほど多くない。誰かに似ているというルーツ探しをしても適当なアーティストは見つからず、独自性を発揮している。オアシスとブラーによるブリット・ポップとは異なるサウンドを打ち出し、90年以降の不安の時代の象徴するアルバムとなった。オアシス、ブラーに替わり、レディオヘッドとケミカル・ブラザーズがイギリスのロックの牽引役となる。ケミカル・ブラザーズはレディオヘッドとは逆に享楽的気分の象徴だった。最初のシングルとなった「パラノイド・アンドロイド」は6分半もあり、曲の展開もおよそシングル的ではないが全英3位。「カーマ・ポリス」「ノー・サプライゼズ」「エアーバッグ」「ラッキー」「レット・ダウン」収録。 |
| |
 |
PARANOID ANDROID |
1997年。シングル盤。「ポリエチレン(パート1&2)」「パーリー」はアルバム未収録曲。 |
| 4 |
 |
KID A |
2000年。サウンドが大きく変わり、ほとんどがキーボードとコンピューター処理された音で成り立っている。ギターはほとんど出てこない。キーボードは音の立ち上がりと減衰がなだらかで、環境音楽にも近い。これがデビュー盤ならば、ロックだとは解釈されなかっただろう。キーボードやエレクトロニクスによって人間が発想しうるサウンドはほとんど実現可能になっているが、その大きすぎる可能性が逆に、目的の喪失を招くことを示唆するサウンド。時代の反映という意味では前作に続き傑作だ。「イディオテック」「エヴリシング・イン・イッツ・ライト・プレイス」「ザ・ナショナル・アンセム」収録。 |
| 5 |
 |
AMNESIAC |
2001年。「キッドA」のときに録音した曲を1年足らずの間隔でスタジオ盤として出した志の低いアルバム。前作よりもギター、ボーカルが目立っており、これが前作に対する修正のような印象を受ける。キーボードやコンピューター処理された音が多いのは前作と変わらないが、このアルバムならばロックの範疇に入るのではないか。「ピラミッド・ソング」「ユー・アンド・フーズ・アーミー?」「アイ・マイト・ビー・ロング」「ナイヴズ・アウト」収録。 |
| |
 |
PYRAMID SONG |
2001年。シングル盤。アルバム未収録曲が4曲もある。 |
| 6 |
 |
HAIL TO THE THIEF |
2003年。アルバムの最初と最後に近づくにつれ、曲が分かりやすい形になっている。真ん中に位置する曲は前作のようにエレクトロニクスを使った曲。曲順をうまい具合に利用しているのではないか。オープニング曲の「2+2=5」とエンディング曲の「ア・ウルフ・アット・ザ・ドアー」は合唱もできる。暗さは変わりない。「ゼア・ゼア」「ゴー・トゥ・スリープ」収録。 |
| 7 |
 |
IN RAINBOWS |
2007年。頼るべき存在や依拠すべき手本、ロールモデルがない(消滅した)時代を反映した、現時点での代表的サウンド。15年前はそれがニルヴァーナの「ネヴァーマインド」、10年前はレディオヘッドの「OKコンピューター」だった。90年代以降の社会、あるいは世界の雰囲気を「あてどなさ」と解釈する人がいるが、かなり妥当な解釈だと言えるのではないか。その雰囲気をロックの形式で表現した例として、レディオヘッドの「OKコンピューター」以降のサウンドを提示されれば、納得させられてしまう。ロックに「あるべき姿」というものがありそうだと考える人には、評価が分かれるアルバム。 |
| |
 |
THE BEST OF |
2008年。ベスト盤。1曲ごとに詳しい解説がついているが、さらにコンパクトな解説をつけた曲リストもついている。 |
| 8 |
 |
THE KING OF LIMBS |
2011年。エレクトロニクス、リズム・マシーンを多用する「キッドA」路線の曲。「リトル・バイ・リトル」「フェラル」「ロータス・フラワー」はバンドサウンドにエレクトロニクスを加えたようなサウンド。「コーデックス」はピアノ中心。最後の「セパレーター」はやや明るい。トム・ヨークのボーカルはこれまでどおり繊細だ。アルバムの前半はリズムが細かく刻まれる。8曲で37分半。 |