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RAGE AGAINST THE MACHINE/ONE DAY AS A LION

1 RAGE AGAINST THE MACHINE/RAGE AGAINST THE MACHINE 1992年。ボーカルのザック・デ・ラ・ロチャ、ギターのトム・モレロを中心とする4人組。ボーカルはラップで歌う。ハードロック、ヘビーメタルにラップを取り入れるのは過去にあったかもしれないが、このバンドはボーカルが最初から最後までラップで、キーボードやスクラッチを一切使わない。主張が政治的であるというが、それを真に受けるかどうかは別として、政治性を帯びることがエンターテイメント上の使い古された手法であることは否めない。音楽上、純粋にロックバンドの編成で演奏し、ヒップ・ホップでよく使うスクラッチなしでラップを導入したことは、ロックファンの抵抗を少なくする効果があったのではないか。「ボムトラック」「キリング・イン・ザ・ネイム」「ノウ・ユア・エナミー」収録。「ブリット・イン・ザ・ヘッド」の途中がエイプリル・ワインの「レーダー・ラブ」のイントロと同じなのは偶然なのかもしれないが、「ノウ・ユア・エナミー」がレッド・ツェッペリンに似ているのは弁解しようがないだろう。ジャケットはベトナム戦争時に焼身自殺した僧の写真。当時はこのような焼身自殺が世界各地であり、フランスのパリでも1969年に学生が焼身自殺をしている。翌年にはそのことを歌った新谷のり子の「フランシーヌの場合」が日本でヒットしている。そうした事実を曲として歌うかジャケットで使うかの違いはあるが、ベトナム戦争を知らない世代には衝撃的だったかもしれない。
2 EVIL EMPIRE/RAGE AGAINST THE MACHINE 1996年。多くのジャンルを混合しているように言われるが、基本はロックの上にラップを乗せていること。ロックバンドの編成で演奏可能なことを第一としているため、スクラッチに代わる部分をギターがやっている。
  LIVE&RARE/RAGE AGAINST THE MACHINE 1997年。ライブ10曲、未発表曲2曲。「イントロ」はパブリック・エナミーのカバー。「ファック・ザ・ポリス」はN.W.A.のカバー。「ザパタズ・ブラッド」「ウィズアウト・ア・フェイス」「ハッダ・ビー・プレイング・オン・ザ・ジュークボックス」はアルバム未収録曲。未発表のスタジオ録音はいい曲だ。日本独自企画盤。
3 THE BATTLE OF LOS ANGELES/RAGE AGAINST THE MACHINE 1999年。ギターの音に厚みがあり、サウンド全体に重量感がある。重ね録りでギターを2本にし、1本で演奏できない部分も出てくる。「ゲリラ・ラジオ」収録。このバンドはその主張や意義などが重視されているが、彼らの主張自体はそれほど目新しくない。スローガンと音楽が密接にリンクしている例はイギリスのパンクのロック・アゲインスト・レイシズムにもあった。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの歌詞は直接的、刺激的で分かりやすく、短期間に多くの支持者を獲得できるのも理解できる。同じような主張を間接的に表現してきたロック・アーティストも多数いる。そうしたアーティストの積み重ねの上に今のロックがある。ただ、ロックが政治的攻撃性が鈍っていたのは事実で、特に80年代はまじめに主義主張を叫ぶことが恥ずかしくなるような時代だった。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンがその点を突いて、徹底的に、直接的に、新しいスタイルで行ったことは賞賛の対象で、白人のヘビーメタルと黒人のヒップホップを掛け合わせたというのが見事だった。既に存在するジャンルを単純に合体させるのは手法として誰でも考えつくが、頭の中で考えることと実際にやることの間には想像以上の巨大な壁があり、そこを超えた者だけが評価の対象だ。
  GUERRILLA RADIO/RAGE AGAINST THE MACHINE 1999年。シングル盤。ライブ1曲収録。
  SLEEP NOW IN THE FIRE/RAGE AGAINST THE MACHINE 2000年。シングル盤。ライブ4曲収録。ライブには「ゲリラ・ラジオ」と「フリーダム」を含む。
  RENEGADE/RAGE AGAINST THE MACHINE 2000年。カバー集。カバーしているのは順に、ヒップ・ホップのエリックB&ラキム、ウェストコースト・ロックのヴォリューム10、MC5、ヒップ・ホップのアフリカ・バンバータ、ニュー・ウェーブのディーヴォ、ヒップ・ホップのEPMD、ハードコア・パンクのマイナー・スレット、サイプレス・ヒル、ブルース・スプリングスティーン、ストゥージズ、ローリング・ストーンズ、ボブ・ディラン。12曲のうちヒップ・ホップは3曲。
  LIVE AT THE GRAND OLYMPIC AUDITORIUM/RAGE AGAINST THE MACHINE 2004年。ライブ盤。2000年のライブ。スタジオ盤よりも迫力がある演奏。観客の合唱がデモ隊のシュプレヒコールにも聞こえる。
  ONE DAY AS A LION/ONE DAY AS A LION 2008年。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのボーカル、ザック・デ・ラ・ロチャと、マーズ・ヴォルタのドラム、ジョン・セオドアのグループ。ザック・デ・ラ・ロチャはボーカル兼キーボード。5曲入りEP盤。キーボードとドラムだけで演奏され、ボーカルはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンと同じようにラップで歌い、高めの声で煽りながら高揚感を高めていく。キーボードはほとんどオルガンのみで、ベースもオルガンで代用している。5曲で20分と短いのでオルガンとドラムだけでも成り立つが、アルバムを作るなら多少の工夫が必要だろう。

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