SCISSOR SISTERS

  • 1970年代後半のディスコを2000年代に再現したバンド。アメリカ出身。メンバーはゲイバーの店員と客だった。
  • 男女ボーカル、ギター、ベース、ドラムの5人編成だが、サウンドはキーボード、エレクトロニクスが主導する。

1
SCISSOR SISTERS

2004年。男女ボーカル、ギター、ベース、ドラムの5人編成。アメリカ出身。男声ボーカルはディスコ時代のビー・ジーズのような声。ギターではなくキーボードが曲を主導する。楽器編成は特に意味はなく、ギターが演奏を誇示することはない。シンセサイザーやドラム・マシーンも使っている。70年代後半のディスコほど享楽的なサウンドではないが、雰囲気は感じさせる。「コンフォタブリー・ナム」はピンク・フロイドのカバーだが、76年ごろのビー・ジーズが時代をさかのぼってカバーしているような曲。

 
I DON'T FEEL LIKE DANCIN'

2006年。邦題「ときめきダンシン」。シングル盤。ピアノはエルトン・ジョンが演奏している。同じ曲のリミックス・バージョンが収録されており、ハウス風の編曲になっている。ノーランズの「ダンシング・シスター」を思い出す。

2
TA-DAH

2006年。邦題「ときめきダンシン」。シングルになった「ときめきダンシン」のあと、軽快な「シーズ・マイ・マン」が来る。4曲目の「ライツ」はストリングスとホーン・セクション風のキーボードも入り、この曲まででアルバム全体の印象を決定づける。「キス・ユー・オフ」はブロンディーの「コール・ミー」のようなサウンド。前作よりノリがよくなった。「ポール・マッカートニー」という曲は「あなたのサウンドに恋しています」という内容で、サウンドはディスコ。ビートルズやポール・マッカートニー風のサウンドやメロディーは出てこない。

3
NIGHT WORK

2010年。ドラムが抜け4人編成。70年代に出たディスコのさまざまなレコードが、ひとつのアーティストによって現代風に再現されたサウンド。クラブ・ミュージックではなくバンドなので曲によってテンポが変わる。踊りやすいところは変わりない。音階のきらびやかさは前作の方が上だったか。「ハードに鳴らせ」はギターがメロディーを主導する。

4
MAGIC HOUR

2012年。デビュー当初のあか抜けた雰囲気よりも、1人で遠景を眺めるようなメロディーが多くなった。踊ることはできるが、派手に踊るよりも大人のように落ち着いて踊る雰囲気だ。アップテンポの曲、ディスコ風の曲が複数あってもよかったのではないか。「オンリー・ザ・ホーセズ」はメロディアス。クラブミュージックの有名アーティストと一緒にサウンドを作っても、聞き手が期待する以上のサウンドができるわけではない。