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SLIPKNOT

  MATE. FEED. KILL. REPEAT. 1996年。ギター2人、パーカッション、サンプリングを含む7人編成。オープニング曲はデスメタル。ラップになる部分もあり、普通のヘビーメタルになる部分もある。最後の曲は20分超。
1 SLIPKNOT 2000年。パーカッションとDJが増え9人編成。ボーカルは各フレーズにおいて歌い出しから感情をためていき、絶叫によってその「ため」を解放する。メロディーを徐々に下降させて「ため」を作り、一気に上昇させて「ため」を解放させて聞き手に精神的快楽を与える手法は何百年も前からあり、モーツァルトの交響曲第40番の冒頭やイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」のギターソロで使われている。これと同じ手法をボーカルで、絶叫によって表現したというところが革新性の第1点。第2点はドローン効果である。サンプリングやDJがメンバーに含まれることにより、サウンド上の効果として低音に厚みとバリエーションが出る。したがって通常のバンド編成よりもドローン効果が大きくなり、聞き手の快楽度が増す。このバンドは、低音のバリエーションをはやりのギターのダウン・チューニングではなく、機械的なサンプリング音等でやったところが現代的で独自性がある。仮面がなくても成功しうるバンド。仮面によって匿名性とキャラクター性を同時に成立させ、ネットメディア時代の社会風潮を体現しているアーティストでもある。
  WAIT AND BREED 2000年。シングル盤。珍しく長い歌メロを持つ。3曲で8分半しかないが3曲ともバージョン違い。
  SPIT IT OUT 2000年。シングル盤。タイトル曲はアルバムと同じバージョン。初のライブ収録となる2曲がポイント。
2 IOWA 2001年。サンプリングの使用は前作より減ったように感じる。バンド・サウンドに近くなり、普通になった分、ファンの幅も広がる余地を得た。「マイ・プレイグ」のように一緒に歌えるような覚えやすいメロディーが出てくるのもその一つだ。最後のアルバムタイトル曲は15分。「ピープル・イコール・シット」「ザ・ヘレティック・アンセム」収録。
  LEFT BEHIND 2001年。シングル盤。ライブ2曲収録。
  MY PLAGUE 2002年。シングル盤。ライブ2曲収録。
3 VOL.3:(THE SUBLIMINAL VERSES) 2004年。キーボードやアコースティック・ギターを使う曲がある。デビュー当初のように音がすき間なく詰まっているというサウンドではない。イメージに反して静かな曲が複数あるので、評価はいろいろ出てくるはずだ。メロディアスになったとも言える。「スリー・ニル」収録。
  DUALITY 2004年。シングル盤。「ドント・ゲット・クロース」はアルバム未収録。
  VERMILION 2004年。シングル盤。「スクリーム」は「VOL.3:(ザ・サブリミナル・ヴァーシズ)」の日本盤ボーナストラックの曲。「デインジャー・キープ・アウェイ」はアルバムとバージョンが違う。
  9.0:LIVE 2005年。ライブ盤。各地の公演を集めており、1カ所でのライブではない。「マイ・プレイグ」以外のシングル曲はすべて入っており、人気のある曲も網羅されている。ベスト盤を作ってもこれと同じになるであろう選曲だ。演奏も観客も熱気がある。MCもあるのでライブの臨場感も損なわれない。
4 ALL HOPE IS GONE 2008年。一般的なラウド・ロックに近くなり、ボーカルに明確なメロディーがつく曲が多い。5人程度でも成り立つサウンドで、ターンテーブルやパーカッションの量が減っている。ハードなロックであることには変わりないが、デビュー当初のイメージが強いので、落ち着いた印象を受ける。ロックン・ロールやメロディアスなロックのバンドと違い、いかにハードなサウンドを聞かせるかに主眼を置いたバンドなので、同じようなサウンドで人気を5年も維持するのは難しい。過去の有名バンドを見れば、レッド・ツェッペリンやメタリカは、ハードさによって人気を維持したのではなく、時代によって聞かせどころを変えて人気を維持した。スリップノットは人気が維持できるかどうかの難しい時期に来ているが、サウンド上の質的な変化で大きなインパクトは与えられていないように思われる。日本盤の解説は9割を過去の経緯に割き、アルバムの評価を聞き手の解釈にゆだねながら、極めて曖昧な表現で濁している。次作の解説でこのアルバムの評価が率直に語られると思われる。

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