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SONATA ARCTICA

1 ECLIPTICA 2000年。キーボードを含む5人編成。フィンランド出身。やっている本人はストラトヴァリウスから影響を受けたと言っているようだが、ストラトヴァリウスよりもクラシック寄りだ。ボーカルは本家を上回っている。ギターが速弾きに走らず、メロディーを明確に演奏する手法を取ったのは賢明だ。キーボードは音階を順次上がったり下がったりする奏法なので速く弾いても聞き手がメロディーの流れを自然に追える。ギターとのユニゾンも多いため、印象に残る曲が多くなる。「ブランク・ファイル」「アンオープンド」収録。
  SUCCESSOR 2000年。デビュー盤から「フルムーン」をシングル・カット。スコーピオンズの「スティル・ラヴィング・ユー」、ハロウィンの「アイ・ウォント・アウト」をカバー。どちらも本家の良さを確認させてしまった。新曲2曲は疾走曲とバラード。ライブが4曲。スピーディーな「サン・セバスティアン」が最大のポイント。
2 SILENCE 2001年。速さとクラシック風の旋律で押していた前作からは、多少曲に幅が出てきて、ミドル・テンポの曲でも相当の質を保つ。キーボードの音が柔らかめになり、サウンドに丸みがある。「ウルフ・アンド・レイヴン」収録。
  ORIENTATION 2001年。シングル。「ブラック・シープ」、「メリー・ルー」のアコースティック・バージョン。ベット・ミドラーの「愛の翼」、アイアン・メイデンの「邪悪の予言者」を収録。アイアン・メイデンの曲はオリジナルと邦題が違う。「ウルフ・アンド・レイヴン」のビデオも収録。
  SONGS OF SILENCE LIVE IN TOKYO 2002年。ライブ盤。イントロから始まり、ライブの大まかな流れをほぼ再現している。ライブの中盤はミドルテンポの曲が続き、後半は速い曲になる。ボーナスディスクには「ブランク・ファイル」と「ランド・オヴ・ザ・フリー」を収録。スタジオ録音の「ピースメイカー」はアルバム未収録曲。
3 WINTERHEART’S GUILD 2003年。路線としてはデビュー以来ずっと変わらないが、旋律の頂点がサビに来ないことがあるため印象が薄くなる。曲が定型化されているのである程度の変化を持たせる必要がある。
  TAKATALVI 2003年。「サン・セバスチャン」の初期バージョンに未発表曲3曲、カバー3曲を加えた企画盤。カバーはスコーピオンズの「スティル・ラビング・ユー」とハロウィンの「アイ・ウォント・アウト」とメタリカの「フェイド・トゥ・ブラック」。ジャケットのモチーフはグレイヴ・ディガーの「ザ・グレイヴ・ディガー」と同じ。肩に大ガラスがいる場合、その人物は北欧神話のオーディン。
4 RECKONING NIGHT 2004年。メロディーの展開の仕方、リズムの転換の仕方などは前作と大きく違い、自然な技巧が含まれる。キーボードにオルガンの音が増えたとか、コーラスが厚くなったというのは聞けばすぐ分かる変化で、サウンドの路線もそれほど大きく変わらない。「サイレンス」以降のスタジオ盤では最も飛躍の大きいアルバム。「エイント・ユア・フェアリーテイル」「ワイルドファイア」「ホワイト・パール、ブラック・オーシャンズ」はすばらしい。
  DON'T SAY A WORD 2004年。シングル盤。「ワールド・イン・マイ・アイズ」はデペッシュ・モード、「トゥー・マインズ、ワン・ソウル」はヴァニシング・ポイントのカバー。「ワールド・イン・マイ・アイズ」は原曲どおりのエレクトロニクス・ポップスのようなサウンド。
  PAID IN FULL 2005年。シングル盤。「ペイド・イン・フル」はアルバムより約40秒短いラジオ・エディット・バージョンを収録している。「アウト・イン・ザ・フィールズ」はゲイリー・ムーアのカバー。
5 UNIA 2007年。邦題「ウニア〜夢記」。デビュー時はメロディアスでスピーディーな曲と昇降の多いフレーズで大きな人気を得たが、このバンドの聞きどころをそこにしか見出せなかった人、あるいはミドルテンポの曲に現れる個性が分からなかった人には、このアルバムのよさが理解できないと思われる。このアルバムにはスピーディーな曲がほとんどない。ソナタ・アークティカは確かに人気の高いバンドであって、その人気の多くはメロディアスでスピーディーな曲に集まっている。しかし、そうした曲が少なくても、それ以外の部分で人気を得る実力が(今も昔も)ある。デビュー時はその実力がスピーディーな曲によって隠されていた(見えにくくされていた)と言ってよい。逆にいえば、ミドルテンポの曲のすばらしさによって、メロディック・ヘビーメタル以外のファンが多くついてもおかしくないバンドであるが、日本のヘビーメタル・ファンは代表的な曲のみでバンドのすべてを知ったかのように振る舞う人が極めて多く、ミドルテンポの曲を知らないまま一刀両断に判断してしまう。彼らにとっては、「ヘビーメタル・バンドのソナタ・アークティカ」ではなく「メロディック・スピード・メタルのソナタ・アークティカ」なのである。これは、メロディック・スピード・メタルが嫌いなヘビーメタル・ファンも同様に言えることで、先入観なしに曲のよさを判断できない点ではどちらも同じだ。ギターの音が太くなり、コーラスが凝ってきた。「イット・ウォント・フェイド」はいい曲。
6 THE DAYS OF GRAYS 2009年。ギターが交替。アルバム全体にオーケストラのようなサウンドが被さっている。キーボードで代用している部分もある。デビュー当初のメロディアスでスピーディーなヘビーメタルというイメージは薄れ、キーボードを主体とするドラマチックなヘビーメタルに変わっている。1曲目は3分のイントロで、2曲目から実質的な曲が始まる。曲はボーカルのトニー・カッコがほぼ1人で作っており、ソナタ・アークティカの個性はボーカルとキーボードで形成されていると言える。「フラッグ・イン・ザ・グラウンド」はデビュー当初の路線。それ以外の曲は、速くないことを前提に聞いた方がよい。

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