GUN/ADRIAN GURVITZ/THREE MAN ARMY/BAKER GURVITZ ARMY/THE GRAEME EDGE BAND featuring ADRIAN GURVITZ

  • ガンはガーヴィッツ兄弟を中心とするハードロックバンド。
  • ギターのエイドリアン・ガーヴィッツはメロディアスでドラマチックなハードロックバンドを次々に結成し、80年前後はアダルト・オリエンテッド・ロックのギターに傾倒している。

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GUN/GUN

1969年。邦題「悪魔天国」。ボーカル兼ギターのエイドリアン・カーティスと兄弟でベース兼ボーカルのポール・カーティスを中心とする3人組。エイドリアン・カーティスの覚えやすくハードなギターが多くのファンの支持を受けた。クラシック風のストリングスや金管楽器を使い、「悲しい物語」がすばらしくなっている。アルバム・タイトル曲はヒット。

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GUNSIGHT/GUN

1970年。西部劇のようなギターやスライド・ギターがあり、前作のクラシック指向とは大きく異なっている。ストリングスも大幅に減った。エイドリアン・カーティスはこのころフラメンコ・ギターに興味があり、スペインへ行っていたという。

PARRISH&GURVITZ/PARRISH&GURVITZ

1971年。バジャーのギター、ブライアン・パリッシュとポール・ガービッツ(ポール・カーティス)のバンド。キーボードを含む5人編成。2枚目のアルバムも録音されたが発売されなかったという。5人のうち3人がハンブル・パイのギター、ピーター・フランプトンのバンドに加入し解散した。

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A THIRD OF A LIFETIME/THREE MAN ARMY

1971年。エイドリアン・カーティスとポール・カーティスが、スプーキー・トゥースのドラムと結成。ストリングスを抑えたハードロック。ギターのメロディーはいいが雰囲気は軽め。アルバム・タイトル曲は映画音楽のような曲。どの曲も演奏部分が長く、ボーカル部分は相対的に少ない。「シー・ホワット・アイ・トゥック」「トゥゲザー」収録。

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THREE MAN ARMY/THREE MAN ARMY

1973年。未CD化だが内容は「マヘシャ」と同じ。

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THREE MAN ARMY TWO/THREE MAN ARMY

1973年。ドラム・ソロもあり、全体的にハード。

 
MAHESHA/THREE MAN ARMY

1974年。前作並のハードさで、ボーカル・メロディーがよくなっている。コーラスも多い。「ホールド・オン」はレッド・ツェッペリンを思い出す。

 
3/THREE MAN ARMY

2005年。1973年から74年にかけて録音されたというベイカー・ガーヴィッツ・アーミーの未発売アルバム。オープニング曲はブリティッシュ・ハードロックらしい。ギターとキーボードが活躍する。

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THE BAKER GURVITZ ARMY/THE BAKER GURVITZ ARMY

1974年。邦題「進撃」。クリームのドラム、ジンジャー・ベイカーと結成したバンド。これまでになかったくらいにキーボードを取り入れた。シンセサイザーとギターを使ったオープニング曲がかっこよく、重厚な作りだ。「ラヴ・イズ」もすばらしい。「メモリー・レイン」はジンジャー・ベイカーのドラム・ソロ入り。「アイ・ワァナ・リヴ・アゲイン」はソウル調の女声コーラスが入るいいバラード。

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ELYSIAN ENCOUNTER/BAKER GURVITZ ARMY

1975年。邦題「天上の戦い」。専任ボーカルとキーボードが加入し5人編成となった。前作に比べるとハードさは弱まり、キーボードはやや軽くなった。少し緊張感に欠けるか。

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HEARTS ON FIRE/BAKER GURVITZ ARMY

1976年。邦題「燃え上がる魂」。キーボードが抜け4人編成。キーボードはゲスト・アーティストが演奏している。「ダンシング・ザ・ナイト・アウェイ」はストリングスをシンセサイザーで演奏しているが、フィラデルフィア・ソウルのようなサウンドになっており、ドラム、ベースもディスコ調だ。「フライング・イン・アンド・アウト・オブ・スターダム」もその音を使う。アン・オデールが4曲で参加。

 
KICK OFF YOUR MUDDY BOOTS/THE GRAEME EDGE BAND featuring ADRIAN GURVITZ

1975年。邦題「さすらいの騎士」。さすらいのライダーと読む。ムーディー・ブルースのドラム、グレアム・エッジのバンド。ギターはエイドリアン・ガービッツ、ベースはポール・ガービッツ。キーボードを含む4人編成で、ボーカルはエイドリアン・ガービッツが兼任している。9曲のうち、グレアム・エッジは3曲、エイドリアン・ガービッツは5曲、共作が1曲となっており、グレアム・エッジよりもエイドリアン・ガービッツ中心のバンドと言ってもよい。ジンジャー・ベイカーの参加している。バンド形態だが、ストリングス、ホーンセクションをふんだんに使う。「イン・ドリームズ」はエイドリアン・ガービッツのギター、「マイ・ライフズ・ノット・ウェイステッド」等は、厚いストリングスと曲構成が聞きどころ。2009年のデジタル・リマスター盤は1974年に発売されたシングル盤のA面曲「太陽の下で」が収録されている(B面は「ショットガン」)。ジャケットはベイカー・ガービッツ・アーミーの「進撃」「天上の戦い」と同じジョー・ペタグノ。

 
PARADISE BALLROOM/THE GRAEME EDGE BAND featuring ADRIAN GURVITZ

1977年。ムーディー・ブルースのドラム、グレアム・エッジのバンド。エイドリアン・ガービッツがボーカル兼ギター兼キーボード、ポール・ガービッツがベース兼ボーカルで参加している。このほかアン・オデール、トニー・ハイマス、ストローブスのブルー・ウィーヴァー等がキーボードで、トラフィック、カンのリーバップ・クワク・バーがパーカッションで参加している。オープニング曲がアルバムタイトル曲となっており、9分を超える。プログレッシブ・ロックとアダルト・オリエンテッド・ロックが同じアルバムに入っている状態。「イン・ザ・ライト・オブ・ナイト」はシカゴのようなブラスロックで、歌詞にもシカゴが出てくる。2009年のデジタル・リマスター盤はシングル盤「みんな誰かを愛してる」のB面曲「ビー・マイ・アイズ」を収録。

 
SWEET VENDETTA/ADRIAN GURVITZ

1979年。邦題「甘い復讐」。エイドリアン・ガーヴィッツのソロ・アルバム。TOTOのジェフ・ポーカロ、スティーブ・ポーカロ、デビッド・ペイチ等が参加し、アダルト・オリエンテッド・ロックに近いサウンドをやっている。ストリングス、パーカッション等を使い、フィラデルフィア・ソウルのような曲もある。これまでのイメージを大きく変えた。エイドリアン・ガーヴィッツとポール・ガービッツが共同でプロデュースしている。

 
IL ASSASINO/ADRIAN GURVITZ

1980年。邦題「サイレント・シティ」。前作のようなフィラデルフィア・ソウルの雰囲気はなく、アダルト・オリエンテッド・ロック、ポップなロックになった。「セヴンティーン」は日本でヒット。

CLASSIC/ADRIAN GURVITZ

1982年。

ACOUSTIC HEART/ADRIAN GURVITZ

1996年。

 
CLASSIC SONGS/ADRIAN GURVITZ

2000年。90年代の録音を集めた企画盤、1984年と1988年が1曲ずつ、残りの13曲は1990年から1998年までの録音。ベイカー・ガーヴィッツ・アーミー以前のハードなサウンドは聞かれず、「甘い復讐」以降のアダルト・オリエンテッド・ロック、ブルース等をやっている。

 
NO COMPROMISE/ADRIAN GURVITZ

2000年。1983年録音。オープニングの2曲はブルース・スプリングスティーンのようなサウンドで、1984年に発売された「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」を思わせる。その後は「サイレント・シティ」のサウンド。日本盤は曲の邦題が一切書かれていない。