BASEMENT JAXX

  • イギリスのエレクトロ、クラブ・ミュージックのデュオ。
  • 他のクラブ・ミュージック系アーティストに比べ、南欧、南米のダンス音楽に近いサウンドが多い。
  • バンドによる演奏が可能な曲、あるいはバンドサウンドの曲が、他のクラブ・ミュージック系アーティストよりも多い。

1
REMEDY

1999年。イギリスの2人組。15曲のうち1分以下が4曲あり、実質的に11曲で構成する。曲によってボーカルをとる人が交代し、ボーカルのスタイルもポップスからソウル、ヒップ・ホップまである。クラブ・ミュージックなのでリズムは機械的に響くが、その上に乗っているサウンドはラテン音楽、ソウル、ポップスなどさまざま。

 
JAXX UNRELEASED

2000年。シングル3枚とその収録曲、アルバム未収録曲をまとめた企画盤。10曲収録。

2
ROOTY

2001年。全曲にボーカルが入り、3分から4分でまとめられている。オープニング曲の「ロメオ」とエンディング曲の「オール・アイ・ノウ」はポップスのシングルとしてもヒットしそうな曲。全体的に「ブロークン・ドリームズ」は60年代風ポップスのようなサウンド。

XXTRA CUTZ

2001年。「ホエアズ・ユア・ヘッド・アット」収録のシングル盤。7曲入り。

3
KISH KASH

2003年。どの曲にもきちんとした歌唱力のボーカルがついており、バックの演奏に多少の派手さがついた。ボーカルにはそれぞれ個性があるのでインパクトが大きくなる。リズムの反復よりはポップスとしての出来を重視しているかのような曲が多い。使われる音の種類も多い。

 
THE SINGLES

2005年。シングル集。新曲2曲を含む。3枚組の限定盤もある。

4
CRAZY ITCH RADIO

2006年。多くの曲が通常のポップスとしてヒットしそうだ。ほとんどの曲にボーカルがつき、ボーカルも曲によって変わる。中南米風のサウンドは変わらず、ホーン・セクション、バンジョーなどを使う。「ハッシュ・ボーイ」「ヘイ・ユー」「ラン・フォー・カバー」などはカーニバル的楽しさがある。

5
SCARS

2009年。デビュー以来続いている、さまざまなポップスを集合させたようなアルバム。ベースメント・ジャックスとはどんなサウンドか、という問いを拒否するような姿勢だ。曲調もジャンルも、歌手も1曲ごとに異なる。ハウス、ラウドロック、ヒップホップなど、現代の若い世代が好んで聞くようなジャンルはあえて外している印象を受ける。「シーズ・ノー・グッド」はノリがよく覚えやすい。「フィーリングス・ゴーン」は通常のポップスでもいい曲だ。「ア・ポシビリティ」は突然アルバムの雰囲気が変わるので驚く。「デイ・オブ・ザ・サンフラワーズ(ウィー・マーチ・オン)」にオノ・ヨーコが参加。

 
ZEPHYR

2009年。「スカーズ」と同時期に録音され、アルバム未収録となった曲をまとめたアルバム。「スカーズ」とは異なり、緩やかでリラックスした雰囲気の曲がほとんど。10曲で33分。日本盤は出なかった。

 
SCARS/ZEPHYR

2010年。「スカーズ」と「ゼファー」と「スカーズ」のリミックスを収録した3枚組。「レインドロップス」は3バージョン、「スカーズ」「トワーズ」は2バージョンずつ入っている。全曲ハウス調。

6
JUNTO

2014年。邦題「フント」。前作に近く、エレクトロニクスを使ったダンス音楽、。ダンスできる曲でもボーカル、間奏に明確なメロディーがあり、リズムだけになることは少ない。音階を徐々に上げ、ビートの間隔を縮めていく2000年代流行の手法は使わず、1970年代から80年代のディスコ、ニューウェーブのような曲を2000年代の機器で作っている。したがってビート以外のメロディー楽器はアナログ感が大きい。若年層向けのダンス音楽でありながら、一世代前のダンス音楽の手法を流用する保守性もこのグループの人気に寄与しているだろう。ヒップホップのアーティストも参加しているので全面的にディスコ調というわけではない。「ロック・ディス・ロード」「マーメイド・オブ・サリナス」はラテン調。「サムシング・アバウト・ユー」は珍しくミドルテンポの曲。