THE BEATLES

  • 世界一有名なロックバンド。
  • ジョン・レノン(ボーカル、ギター)、ジョージ・ハリソン(ギター、ボーカル)、ポール・マッカートニー(ボーカル、ベース、ピアノ)、リンゴ・スター(ドラム)。
  • ビートルズ登場以前のロックンロールバンドは「スター歌手とそのバックバンド」という形態だったが、ビートルズはボーカルを2人置き、バンドそのものが活動主体となった。
  • バンド内で作詞作曲するのもビートルズが広め、その後のロック界ではメンバーが作曲するのが当然となった。
  • デビュー当初はロックンロール、ポップスが中心だったが、中期以降は実験性が強くなり、後期はメンバーの個性が大きくなる。
  • いわゆる「サマー・オブ・ラブ」の年(1967年)に出た「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」は、ジャケット、詞、曲、パッケージが統一されたイメージのもとに構成されており、ロック初のトータルアルバム(レコード商品としてのパッケージ芸術)とされる。
  • デビュー当初、ビートルズが他のバンドよりも多く露出できたのはリンゴ・スターのドラムが上手かったから。
  • 1966年にライブ活動をやめ、アルバム制作に専念。1970年解散。

1
PLEASE PLEASE ME

1963年3月。14曲のうち6曲がカバー。シュレルズのカバーが「ボーイズ」「ベイビー・イッツ・ユー」と2曲ある。アルバム1曲目の「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」はティファニーが「アイ・ソー・ヒム・スタンディング・ゼア」としてカバー。「ツイスト・アンド・シャウト」はオリジナルのアイズレー・ブラザーズよりはるかに有名になった。「ミズリー」の途中に入るジョージ・マーティンのピアノがかっこいい。「プリーズ・プリーズ・ミー」「ラヴ・ミー・ドゥ」「P.S.アイ・ラヴ・ユー」収録。

2
WITH THE BEATLES

1963年11月。マーヴェレッツの「プリーズ・ミスター・ポストマン」(カーペンターズがカバー)、チャック・ベリーの「ロール・オーバー・ベートーヴェン」、スモーキー・ロビンソン&ミラクルズの「ユー・リアリー・ゴッタ・ホールド・オン・ミー」等をカバー。「ホールド・ミー・タイト」はハードな曲。イギリスのアーティストとしては英国初のミリオン・セラー。「イット・ウォント・ビー・ロング」「オール・マイ・ラヴィング」「アイ・ウォナ・ビー・ユア・マン」「デヴィル・イン・ハー・ハート」「マネー」収録。「ドント・バザー・ミー」はジョージ・ハリソンが作曲。

3
A HARD DAY'S NIGHT

1964年7月。邦題「ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!」。アルバム・タイトルとしては「A HARD DAY'S NIGHT」だが、オープニングの曲タイトルはNIGHTのあとにピリオドがある。この年の前半にアメリカでビートルズ旋風が起こり、ブリティッシュ・インベイジョンも起こる。カバー曲はなく、全曲をジョン・レノン、ポール・マッカートニーが作曲している。曲のタイトルには簡単な単語を使い、歌詞の内容も恋、愛といった男女関係になっており、若い女性が容易に感情移入しやすい。「キャント・バイ・ミー・ラブ」の対訳はさすがに「買いたいときにゃ金出しゃ買える」とはなっていない。「恋する二人」「恋におちたら」「アンド・アイ・ラヴ・ハー」「エニイ・タイム・アット・オール」「今日の誓い」「ユー・キャント・ドゥ・ザット」「アイル・ビー・バック」収録。

4
BEATLES FOR SALE

1964年12月。カバー曲が再び入り、「ロック・アンド・ロール・ミュージック」はチャック・ベリー、「メドレー」はリトル・リチャードのカバー。カール・パーキンスのカバーが2曲ある。「ミスター・ムーンライト」「エブリ・リトル・シング」「エイト・デイズ・ア・ウィーク」等収録。 「パーティーはそのままに」「ベイビーズ・イン・ブラック」など、それほど有名でない曲もある。

5
HELP

1965年8月。邦題「4人はアイドル」。14曲のうち、他人の曲は2曲に減った。うち1曲は「ディジー・ミス・リジー」。ジョン・レノンが作曲した「悲しみをぶっとばせ」はボブ・ディラン風。「アイ・ニード・ユー」「イッツ・オンリー・ラヴ」のジョージ・ハリソンのギターは実験というよりはお遊びという感覚だろう。「ユー・ライク・ミー・トゥ・マッチ」では3人がピアノを、「夢の人」では3人がアコースティックギターを弾く。ポール・マッカートニーが作曲した「イエスタデイ」は初めて弦楽四重奏を使っている。「恋のアドバイス」「涙の乗車券」「ヘルプ」収録。結果的にはカバー曲が入った最後のアルバムとなっている。10月に勲章をもらう。11月に初のミュージックビデオを制作。

6
RUBBER SOUL

1965年12月。全曲メンバーによる作曲。「ノルウェーの森」でシタールを導入している。ジョージ・ハリソンとジョン・レノンはおもしろがって使ったのだろうが、その「おもしろがり」が後の実験精神旺盛なサウンドに結びついていくのだろう。このアルバムはビートルズが精神的に少年期から青年期へ移る過渡期を反映している。その象徴が「イン・マイ・ライフ」と「ノルウェーの森」にみられる客観的視点だ。自己に吸着する幼年期から、自己を対象化する大人へ、多くの人が通過する試行錯誤の時期をロックの表現形態によって現出している。ロックンロールやソウルにはなかった視点だ。「ユー・ウォント・シー・ミー」はバッドフィンガーを思わせる曲。「ガール」は息継ぎも曲の一部として利用している。「ドライヴ・マイ・カー」「ひとりぼっちのあいつ」「愛のことば」「ミッシェル」「ウェイト」「恋をするなら」収録。

7
REVOLVER

1966年8月。研究者の間では、このアルバムが1955年以来のロックン・ロール時代と1966年以降のロック時代を分け隔てる重要な作品だという。歌詞は「イン・マイ・ライフ」「ノルウェーの森」の「エリナー・リグビー」で弦楽四重奏団を使ったり、前作に続いてシタールを使ったり、テープの逆回転を使ったりと、変わったことをする曲が多くなってきた。「イエロー・サブマリン」ではこれまでにない多彩なSEが入り、ローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズ、マリアンヌ・フェイスフル、パティ・ボイド等が参加している。「ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」は本格的にホーンセクションを導入。「トゥモロー・ネバー・ノウズ」はサイケデリックロックの傑作。ポール・マッカートニーがボーカル、ギター、ベース、キーボードで、リンゴ・スターがドラム、ジョン・レノンとジョージ・ハリソンは参加せず、という曲が出てきて、「アルバム」そのものがビートルズの作品というよりは、メンバーの実験盤になってきた。「タックスマン」「ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア」「シー・セッド・シー・セッド」「グッド・デイ・サンシャイン」「アンド・ユア・バード・キャン・シング」収録。この作品を発表後、ビートルズはコンサートをしなくなった。

8
SGT.PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND

1967年6月。際限なく広がる楽器のバリエーション、多用されるSE、一般的なスタイルから離れた曲構成など、聞き手が「何か深い意味があるのでは」と考えてしまう仕掛けがたくさん含まれている。前作ではアルバムの意味合いが「ビートルズの作品集」から「メンバーのアイデア発表の媒体」に変わったが、本作は「トータル性を持った作品」になっている。サイケデリック色も十分。13曲のうち、1曲目は架空のバンドの紹介曲、12曲目はエンディング曲、13曲目がアンコール曲という体裁になっている。「シーズ・リーヴィング・ホーム」はボーカルだけメンバーが参加し、楽器演奏はしていない。「ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト」のSEの創作過程はサンプリングどころの話ではない驚異的なアイデアだ。「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」はジョージ・ハリソンだけが参加。「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」収録。

MAGICAL MYSTERY TOUR

1967年12月。最初と最後が印象的。A面はテレビ映画のサウンドトラック、B面を未発表曲集としている。したがってアルバムとして制作されていない。サウンドトラックの6曲は、タイトル曲と「アイ・アム・ザ・ウォルラス」以外あまり有名ではない。「愛こそはすべて」の、エンディングで過去の名曲を登場させるアイデアはフォーク・クルセダーズの「帰ってきたヨッパライ」にも影響を与えたのだろう。「ペニー・レイン」のピッコロトランペットはバロック風。「ハロー・グッドバイ」「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」収録。

9
THE BEATLES

1968年11月。2枚組30曲。メンバーが人間的に成熟するにつれ個人志向になり、バンドの一体感が感じられる曲は少なくなっている。クリス・トーマスが参加しており「ピッギーズ」でその個性が表れている。「ヘルター・スケルター」「ヤー・ブルース」「ハニー・パイ」「グッド・ナイト」はメンバーの音楽的幅の広さを物語る。「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」でエリック・クラプトンが参加。「コンティニューイング・ストーリー・オブ・バンガロウ・ヒル」ではオノ・ヨーコが一部ボーカルもとる。「ドント・パス・ミーバイ」はリンゴ・スターが作曲。「レボリューション9」は8分を超える前衛的な音のコラージュ。「バック・イン・ザ・U.S.S.R.」「オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ」「バースデイ」「レボリューション1」収録。

10
YELLOW SUBMARINE

1969年1月。アニメ映画のサントラ盤。新曲は4曲、7曲はオーケストラ演奏。「イッツ・オール・トゥ・マッチ」はジョージ・ハリソンのサイケデリックなギターとポップなメロディーがよく調和している。7曲目の「ペパーランド」から13曲目の「イエロー・サブマリン・イン・ペパーランド」まではジョージ・マーティン・オーケストラによるインスト曲。「シー・オブ・モンスターズ」にバッハの「G線上のアリア」を挿入。 「オール・トゥゲザー・ナウ」収録。

11
ABBEY ROAD

1969年9月。「ビコーズ」「マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー」「ヒア・カムズ・ザ・サン」で初めてムーグが導入されている。「サムシング」「ヒア・カムズ・ザ・サン」と、ジョージ・ハリソンの傑作が2曲入った。リンゴ・スターが作ったという曲はチューリップを想起させる。水ブクブク効果音もおなじみになってきた。アルバムの後半は短い曲が続く。このアルバムが「キャリー・ザット・ウェイト」「ジ・エンド」はビートルズの解散宣言と解釈されている。「カム・トゥゲザー」「ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー」「アイ・ウォント・ユー」「ヒア・カムズ・ザ・サン」収録。

12
LET IT BE

1970年5月。ビートルズの解散が公然になってから発売されたアルバム。タイトル曲のピアノはポール・マッカートニー、オルガンはビリー・プレストン。フィル・スペクターが関わったという「アクロス・ザ・ユニバース」はボーカルが変わればELOだ。「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」「ゲット・バック」収録。

THE BEATLES 1961

1964年。

HEY JUDE

1970年。

 
1962-1966

1973年。ベスト盤。通称「赤盤」。2枚組、26曲で62分。

 
1967-1970

1973年。ベスト盤。通称「青盤」。2枚組、28曲で。

ROCK'N'ROLL MUSIC VOL.1-2

1976年。

LIVE AT HOLLYWOOD BOWL

1977年。

20 GREATEST HITS

1982年。

 
PASSED MASTERS VOL.1

1988年。公式に発売されたシングル盤の曲やB面曲を収録。18曲収録。アルバムとシングルは同じタイトルであっても別の演奏を用意していたため、アルバム収録曲とは異なる。「抱きしめたい」と「シー・ラヴズ・ユー」のドイツ語バージョン、フィードバック奏法が入る「アイ・フィール・ファイン」収録。

 
PASSED MASTERS VOL.2

1988年。1965年以降のシングル盤等を収録。15曲。

 
LIVE AT THE BBC

1994年。邦題「ザ・ビートルズ・ライヴ!!」。1962年から65年までの、英国放送協会でのライブ56曲を収録。会話やスピーチも13カ所に入っている。ほとんどの曲がアルバム未収録か未収録バージョン。2枚組で133分。

 
ANTHOLOGY VOL.1

1995年。ビートルズがレコード会社のオーディションを受けたときのライブやビートルズ改名前のクオリーメンのレコーディング、有名な「エド・ザリバン・ショー」出演時のライブなどを収録。「フリー・アズ・ア・バード」収録。有名曲でもアルバム・バージョンと歌い方が違うバージョンが多数ある。主に1964年までの未発表曲集。

 
FREE AS A BIRD

1995年。シングル盤。「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」「こいつ」「クリスマス・タイム」は「アンソロジー1」未収録曲。

 
ANTHOLOGY VOL.2

1996年。主に1965年から1968年までの未発表曲集。実験精神旺盛なころなので、「ノルウェイの森」や「エリナー・リグビー」、「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」のバージョン違いを収録。「エリナー・リグビー」は弦楽器のみの演奏。「リアル・ラブ」収録。「ロックン・ロール・ミュージック」と「シーズ・ア・ウーマン」は日本公演のライブ。

 
REAL LOVE

1996年。シングル盤。「ベイビーズ・イン・ブラック」「イエロー・サブマリン」「ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア」は「アンソロジー2」未収録曲。

 
ANTHOLOGY VOL.3

1996年。ジョージ・ハリソンが自分でギター・ソロを弾いている「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」、ポール・マッカートニーが1人で歌う「ヘイ・ジュード」、ブルース調の「ヘルター・スケルター」収録。のちにジョージ・ハリソンのソロ・アルバムに入る「オール・シングス・マスト・パス」とバッドフィンガーの「カム・アンド・ゲット・イット(マジック・クリスチャンのテーマ)」はそれぞれジョージ・ハリソンとポール・マッカートニーが1人で多重録音したデモ・バージョン。

1

2000年。

LET IT BE...NAKED

2003年。

MEET THE BEATLES!

2004年。4枚組ボックスセット「ザ・ビートルズ’64BOX」の1枚目。1964年1月にアメリカで発売されたアルバム。

THE BEATLES' SECOND ALBUM

2004年。「ザ・ビートルズ’64BOX」の2枚目。1964年4月にアメリカで発売されたアルバム。

SOMETHING NEW

2004年。「ザ・ビートルズ’64BOX」の3枚目。1964年7月にアメリカで発売されたアルバム。

BEATLES '65

2004年。「ザ・ビートルズ’64BOX」の4枚目。1964年12月にアメリカで発売されたアルバム。

THE U.S. BOX

2014年。イギリスとは異なる内容で発売されたアメリカのアルバムを集めたボックスセット。13枚組。

MEET THE BEATLES!

2014年。アメリカで最初に出たアルバム。選曲は「ウィズ・ザ・ビートルズ」を基本にしている。イギリスの「ウィズ・ザ・ビートルズ」から2カ月遅れ、1964年1月発売。

THE BEATLES' SECOND ALBUM

2014年。アメリカでの2枚目のアルバム。「ミート・ザ・ビートルズ」に収録されなかった「ウィズ・ザ・ビートルズ」の5曲にシングル等を加えた編集盤。1964年4月発売。

A HARD DAY'S NIGHT

2014年。映画のサウンドトラック。「ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!」を基本とする選曲。イギリスの「ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!」より1カ月早い1964年6月発売。

SOMETHING NEW

2014年。アメリカでの未発表曲を含む編集盤。「ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!」を基本に、「抱きしめたい」のドイツ語バージョンを収録。1964年7月発売。

THE BEATLES' STORY

2014年。ビートルズ関係者のインタビュー集。1964年11月発売。

BEATLES '65

2014年。「ビートルズ・フォー・セール」収録曲とシングル曲を組み合わせた編集盤。「アイ・フィール・ファイン」収録。イギリスの「ビートルズ・フォー・セール」と同じ1964年12月発売。

THE EARLY BEATLES

2014年。「プリーズ・プリーズ・ミー」から11曲を選んだ編集盤。1965年3月発売。

BEATLES VI

2014年。「ビートルズ'65」に収録されなかった「ビートルズ・フォー・セール」の曲と、「4人はアイドル」から選曲。1965年6月発売。

HELP!

2014年。「4人はアイドル」から、映画に使用された7曲と、サウンドトラックのインスト曲5曲を収録。イギリスの「4人はアイドル」と同じ1965年8月発売。

RUBBER SOUL

2014年。「ラバー・ソウル」から10曲、「4人はアイドル」から2曲。イギリスの「ラバー・ソウル」と同じ1965年12月発売。

YESTERDAY AND TODAY

2014年。「4人はアイドル」「ラバー・ソウル」「リボルバー」から9曲と、シングルの2曲。「イエスタデイ」が収録されているためこのアルバムタイトルとなった。1966年6月発売。

YESTERDAY AND TODAY

2014年。ジャケット差し替え盤。

REVOLVER

2014年。「リボルバー」から3曲削除。イギリスの「リボルバー」と同じ1966年8月発売。

HEY JUDE

2014年。初期も含め、アメリカで発売されなかった曲を集めた編集盤。1970年2月発売。