THE DARKNESS

ザ・ダークネスはイギリスのロックンロールバンド。ボーカル、ギター、ベース、ドラムの4人編成。ジャスティン・ホーキンスの広い音域と作曲能力で、2000年代前半に人気を得た。2011年に復活している。

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PERMISSION TO LAND

2003年。4人編成。イギリス出身。ボーカルのジャスティン・ホーキンスを中心とする。クイーンやスパークスのようなボーカルで、ファルセットを多用する。サウンドはロックンロール。ボーカルもギターを弾くのでギターは2人いる。クイーンやスパークスはキーボードを使い、ポップス志向が強かったが、ザ・ダークネスはあくまでもロックを基本にしており、インパクトのある歌唱法、メロディーの覚えやすさで大きな差をつけている。「ゲット・ユア・ハンズ・オフ・マイ・ウーマン」はすばらしい。「アイ・ビリーヴ・イン・ア・シング・コールド・ラヴ」収録。

2
ONE WAY TICKET TO HELL...AND BACK

2005年。ベースが交代。キーボード、コーラスがきちんとまとめられ、サウンドが厚くなった。プロデューサーはクイーンで有名なロイ・トーマス・ベイカー。「ボールド」や「シームド・ライク・ア・グッド・アイディア・アット・ザ・タイム」はロイ・トーマス・ベイカーらしさのある曲。オープニング曲の「ワン・ウェイ・チケット」はシタールを使用。「ディナー・レディ・アームス」はロックン・ロールらしさよりも80年代前半のニューウェーブの雰囲気がある。「ヘイゼル・アイズ」はボーカルのファルセットを生かしたすばらしい曲。「ガールフレンド」はストリングスのほかホーン・セクションも入る。「イングリッシュ・カントリー・ガーデン」「グリーフ・ハンマー」収録。

3
HOT CAKES

2012年。7年ぶりにアルバムを出した。以前と変わらないサウンドで、ジャスティン・ホーキンスの広い音域も変わらない。音域が広いゆえ、他のバンドよりもメロディーの幅が広がるが、ザ・ダークネスはメロディー自体の高揚感や親しみやすさがあり、音域やコーラスとの相乗効果がある。2000年代後半はロックンロールのバンドが活動を縮小していたが、ザ・ダークネスが活動を続けていればもっと大きくなっていたかもしれない。

4
LAST OF OUR KIND

2015年。ドラムが交代。これまでで最もハードロック寄りのサウンド。ギターがプロデュースしていることと関係しているだろう。ザ・ダークネスの魅力はロックのハードさの部分ではなく、ポップなメロディーだ。だからといってハードさを否定するわけではないが、「イングリッシュ・カントリー・ガーデン」のようなポップな曲があってもよかった。「マイティ・ウィングス」はキーボードを使うけれども整合感よりも緊張感を狙った使い方。「サラ・オー・サラ」はいい曲だ。編曲や録音も含めてボーカルのジャスティン・ホーキンスが主導するべきだろう。

5
PINEWOOD SMILE

2017年。ドラムが交代。ドラムはクイーンのロジャー・テイラーの息子だという。アップテンポのロックンロールが多く、ジャスティン・ホーキンスはファルセットを多用する。2010年代にほぼバンドサウンドだけでのロックンロールをやるのは時代遅れとも言えるが、勢いがある曲が多いとむしろ好意的な潔さを感じさせる。ただ、曲のよさを生かすサウンドはやはりキーボードも含めた厚めの演奏だろう。「ホワイ・ドント・ザ・ビューティフル・クライ?」はギターがクイーン風。「ジャパニーズ・プリズナー・オブ・ラヴ」は日本の地名や文化の歌詞は出てこない。ボーナストラックが4曲あり、「ロック・イン・スペース」は本編に入っていてもよかった。

6
EASTER IS CANCELLED

2019年。オープニング曲は非定型の曲だが、2曲目以降からギター主導のハードロックになる。零細レコード会社から出ているのでバンドの基本的な音以外は装飾がないが、あればポップなロックとしてヒット性が高まったかもしれない。アルバムタイトル曲はヘビーメタル調。「ヘヴィー・メタル・ラヴァー」「ウィ・アー・ザ・ギター・メン」もヘビーメタルへの愛着がある。「レイロー」はデヴィッド・ボウイの「スペース・オディティ」を参照したか。