FINAL FRONTIER/ROB MORATTI

ファイナル・フロンティアはカナダのハードロックバンド。ジャーニーに似たメロディアスなロックを高音のボーカルとコーラスで再現する。声も楽器として使うような安定した高音で、爽快感は大きい。ロブ・モラッティはファイナル・フロンティアのボーカル。

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THE FIRST WAVE/FINAL FRONTIER

2002年。ボーカルとギターのプロジェクト。ボーカルはモラッティのリーダー、ギターはヴォン・グルーヴのメンバー。カナダ出身。ドラム、ベース、キーボードはゲスト・ミュージシャンによる。メロディーもサウンドも爽快で、コーラスも開放感にあふれる。しかし、この種のアルバムがアメリカで大きな成功を得られないのは明白で、ロックン・ロールタイプの曲がないことと、一本調子で情感がこもらないボーカルがマイナス要因だ。ジャーニーやボストンのようなサウンドを目指しているのかどうかは分からないが、彼らとは大きな隔たりがあることは事実として認めなければならない。

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THE SECOND WAVE/FINAL FRONTIER

2003年。ジャケットとバンド名がジャーニーを思い出させる。サウンドは前作と変わりないが、「ラナウェイ」はダム・ヤンキースに近い。お決まりのようにギターソロが出てくるハードロックよりも普通のロックやポップスのほうがより大きな人気を獲得できるだろう。このようなメロディーをたくさん創り出すことはすばらしい才能だ。

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HIGH TENSION WIRE/FINAL FRONTIER

2004年。前作と同じ路線で、メロディーの覚えやすさと爽快感はますます向上。デビュー以来最高の出来。

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FREELIGHT/FINAL FRONTIER

2006年。前作の路線。ボーカル、ギター兼ベース兼キーボード、ギターの3人が正式メンバー。ドラムはゲスト参加。コーラスは厚く、声も高く、爽快だがすべてボーカルの多重録音。ボーカル以外のメンバーはコーラスにかかわっていない。「ダイナモ」収録。

 
VICTORY/ROB MORATTI

2011年。ファイナル・フロンティアのボーカル、ロブ・モラッティのソロアルバム。ギター、リズムギター兼キーボード、キーボード、ベース、ドラムの5人が演奏している。ロブ・モラッティとギター兼キーボードのクリスチャン・ウルフが大半の曲を共作している。ギターはウィンガー、ホワイトスネイク等のレブ・ビーチ、ベースはブルー・マーダー等のトニー・フランクリン、キーボードはストリート・トークのフレドリック・バーグ。広い音域を生かし、ファイナル・フロンティアと変わらないメロディアスなハードロックをやっている。ボーカルのソロアルバムとしては、やや一本調子で情感を込めるタイプではない。曲の端々でレブ・ビーチがギターソロを入れている。

TRANSCENDENCE/ROB MORATTI

2016年。

RENAISSANCE/ROB MORATTI

2019年。ボーカル、ギター、ベース、ドラム、キーボードの5人編成。80年代後半から90年代の保守的ハードロック。ノイズ、雑音を排し、異物がないサウンドを目指したロックだ。支持対象を90年代以降のオルタナティブ・ロックに対応できなかった中高年に絞っている。疑似的なファイナル・フロンティアだ。