SAGITTARIUS/THE LEFT BANKE/KEITH

サジタリウスはゲイリー・アッシャーを中心とするアメリカのソフトロックのグループ。60年代後半のみの活動。レフト・バンクはクラシック風のキーボードを特徴とするアメリカのロックバンド。「いとしのルネ」がヒット。60年代後半のみの活動。キースはアメリカの男性歌手。「98.6」のヒットで知られる。60年代後半のみの活動。

THUNDER ROAD/THE SUPER STOCKS

1963年。ゲイリー・アッシャーを中心とするホット・ロッドのバンド。事実上ゲイリー・アッシャーの個人プロジェクトとなっている。オープニング曲がタイトル曲となっており、ビーチ・ボーイズの「サーフィン・USA」に似ている。「ラムチャージャー」はサファリーズの「ワイプ・アウト」のようなインスト曲。「427スーパー・ストック」「ホイール・スタンズ」はいい曲だ。

BLACK BOOTS AND BIKES/THE KICKSTANDS

1963年。ゲイリー・アッシャーが参加したホット・ロッドのバンド。バイクのイメージでアルバムを作っており、バイクの代名詞だったホンダをタイトルに含めた「ホーリン・ホンダ」を収録している。ゲイリー・アッシャーはボーカル。ギター2人、ベース、ドラム、パーカッション、キーボード、サックス2人で録音しており、サックスは太ベースの役割も果たす。11曲のうち5曲はインスト曲。ゲイリー・アッシャーが作曲しているのは5曲。

SCHOOL IS A DRAG/THE SUPER STOCKS

1964年。ホット・ロッドと学校をテーマとする曲が混在しており、ジャン&ディーンの「デッド・マンズ・カーヴ/ザ・ニュー・ガール・イン・スクール」と同じ。学校の曲は夏休みが終わったあとの新学期を想定しているようだ。「レット・フリーダム・リング」「クラス・デイ」「土曜日のヒーロー」はチャイムを模したとみられる鐘の音を使う。「リトル・ホンダ」収録。

SURF ROUTE 101/THE SUPER STOCKS

1964年。全曲がサーフィンの曲。二番煎じの印象はこれまでで最も大きい。「ヴェンチュラ」はまた「ワイプ・アウト」を借りている。「ミッドナイト・ラン」はヴェンチャーズの「パイプライン」の借用が露骨だ。しかし、この時期は多くのミュージシャンが協力してエレキインストやサーフィンを盛り上げていたという方が適切だろう。

HOT ROD HIGH/THE KNIGHTS

1964年。ナイツはゲイリー・アッシャーを中心とするグループ。スーパー・ストックスと同様、スタジオミュージシャンによる録音となっている。他の同様のアルバムに比べて曲の出来がよく、ジャケットも優れている。ゲイリー・アッシャーの「ホット・ロッド・ハイ」はサーフィンの曲としてビーチ・ボーイズに比肩しうるいい曲。チャック・ベリーの「スクール・デイズ」、ビーチ・ボーイズの「ビー・トゥルー・トゥ・ユア・スクール」「アイ・ゲット・アラウンド」、リップ・コーズの「ホット・ロッドUSA」、ビル・ヘイリーと彼のコメッツの「ロック・アラウンド・ザ・クロック」はカバー。

 
PRESENT TENSE/SAGITTARIUS

1968年。ミレニウムのカート・ベッチャーとプロデューサーのゲイリー・アッシャーを中心とするプロジェクト。アメリカ・カリフォルニア出身。演奏はミレニウムとその他のスタジオ・ミュージシャンで、サジタリアスというバンドが存在していたわけではない。アコースティック・ギターとキーボードを中心に使用し、コーラスの厚さとアレンジを聞かせる。ゲイリー・アッシャーはこのころバーズやサイモン&ガーファンクルもプロデュースしているので、サジタリアスもそのようなサウンドに近い。要所で出てくるメロトロンがよい。この点をもってプログレッシブだと評する人もいる。11曲で28分。「マイ・ワールド・フェル・ダウン」はアイビー・リーグのカバー。「アナザー・タイム」収録。

 
BLUE MARBLE/SAGITTARIUS

1969年。前作とは異なり、ゲイリー・アッシャーが主導権を握ったアルバム。エレキ・ギター、シンセサイザーを使用。前作がフォーク・ロックだとすれば今作はサイケデリックと呼べるので、アメリカのポピュラー・ミュージックの流れに沿っている。「イン・マイ・ルーム」はビーチ・ボーイズのカバー。

 
WALK AWAY RENEE/THE LEFT BANKE

1966年。邦題「いとしのルネ」。キーボードを含む5人編成。アメリカ・ニューヨーク出身。キーボード奏者がハープシコード、ピアノを多用するため、クラシック風味の強いバンドとして知られる。ストリングスも入り、コーラスも当時のソフトロックに近い。「夢みるバレリーナ」収録。全米67位。「いとしのルネ」は5位、「夢みるバレリーナ」は15位。

 
TOO/THE LEFT BANKE

1968年。ややロック寄りになったが、キーボードやストリングスは前作と同じ。エアロスミスのボーカル、スティーブン・タイラーが参加しているというが真偽は不明。

 
98.6/AIN’T GONNA LIE/KEITH

1967年。キースは歌手の名前。「嘘はつかない」と「98.6」のヒットで知られる。純粋なポップスで、ソフトロックともロックとも言いにくい。しかし、2大ヒットである「嘘はつかない」と「98.6」のコーラスはトーケンズ。「98.6」は人間の体温の華氏温度。「さよならは直接言って」はホリーズのカバー。全米124位。「嘘はつかない」は39位、「98.6」は7位、「さよならは直接言って」は37位。

 
OUT OF CRANK/KEITH

1967年。前作よりポップになった。バブルガム・サウンドもあり、コーラスも大幅に増えた。「幸せをかぞえよう」はスパンキー&アワ・ギャング、「ビー・マイ・ガール」はパリス・シスターズの「ビー・マイ・ボーイ」のカバー。「太陽がくれた恋」は全米79位。

THE ADVENTURES OF KEITH/KEITH

1969年。