SHERYL CROW

  • アメリカの女性シンガー・ソングライター。オルタナティブ・ロック時代の女性歌手では最も成功した1人。
  • 世界では「チューズデイ・ナイト・ミュージック・クラブ」、日本では「カモン、カモン」が代表作。
  • 代表曲は「オール・アイ・ワナ・ドゥ」「ソーク・アップ・ザ・サン」「ザ・ファースト・カット・イズ・ザ・ディーペスト」。

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TUESDAY NIGHT MUSIC CLUB

1993年。シェリル・クロウはアメリカのシンガー・ソングライター。ギターとキーボードを弾いていると思われる。パーカッションとアコースティック・ギターを中心に、少ない音数で曲を作っている。社会に対して一定の距離を置いた視点で語る。「ナ・ナ・ソング」や「スイング・ジャズを聴きながら」は若い人には作れない社会性がある。イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」に似た「オール・アイ・ワナ・ドゥ」はヒット曲。この曲や「さらばラス・ヴェガス」など、情景描写がとてもうまい。

2
SHERYL CROW

1996年。単独で作曲した曲が4曲、共作した曲でも人数が減っており、シェリル・クロウの割合が大きくなっている。グランジ・ロック、オルタナティブ・ロックの影響を受けているのかどうか分からないが、ギターはエレキ・ギターが多くなり、前作よりもざらついたロックに傾いている。「イフ・イット・メイクス・ユー・ハッピー」「フリー・マン」はグランジ・ロック風。声を張り上げて歌う曲も複数ある。前作の「スイング・ジャズを聴きながら」ではスタン・ケントンが出てきたが、このアルバムの「イフ・イット・メイクス・ユー・ハッピー」ではベニー・グッドマンが出てくる。オープニング曲の「メイビー・エンジェルズ」ではエルヴィス・プレスリー、ビートルズのジョン・レノン、ニルヴァーナのカート・コバーンが出てくる。「スウィート・ロザリン」は「オール・アイ・ウォナ・ドゥ」の路線。「救いの日」はいい曲。「ハード・トゥ・メイク・ア・スタンド」はもっとソウル風にしてもよかった。「スーパースター」はボブ・ディラン風ボーカル。

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THE GLOBE SESSIONS

1998年。11曲のうち単独の作曲が6曲、共作が4曲、ボブ・ディラン作曲の「ミシシッピィ」。このアルバムが出た時点でボブ・ディランは「ミシシッピィ」を発表していなかったが、2001年の「ラヴ・アンド・ゼフト」に収録された。曲ごとの担当楽器が初めて明記され、シェリル・クロウは主にギター、ベース、キーボードを担当している。ハモンド・オルガンを使うことが多い。「リヴァーワイド」は後期のレッド・ツェッペリンの雰囲気。「ゲティング・スルー」はレッド・ツェッペリンの「天国への階段」風に始まり、グランジ・ロックに変わるサウンド。現在販売されているアルバムにはガンズ・アンド・ローゼズの「スイート・チャイルド・オブ・マイン」のカバーが収録されている。

 
SHERYL CROW AND FRIENDS LIVE FROM CENTRAL PARK

1999年。ライブ盤。

4
C'MON、C'MON

2002年。ジャケットが明るくなり、サウンドもやや明るい。「ソーク・アップ・ザ・サン」はリズ・フェア、「ユーアー・アン・オリジナル」はレニー・クラヴィッツ、「カモン・カモン」はフリートウッド・マックのスティーヴィー・ニックス、「イッツ・ソー・イージー」はイーグルスのドン・ヘンリー、「ラッキー・キッド」はストーン・テンプル・パイロッツのスコット・ウェイランド、「アビリーン」はディクシー・チックスのナタリー・メインズ、「ウェザー・チャンネル」はエミルー・ハリスが参加している。ストリングスや多声コーラスはこれまでなかったわけではないが、最も効果的に使われている印象だ。「イッツ・ソー・イージー」でのドン・ヘンリーはコーラスではなくデュエットで参加している。「カモン・カモン」はサビで突き抜けるようなボーカルになり、あまり聞かれなかった歌い方だ。「ダイアモンド・ロード」はイントロがボブ・ディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」を思わせ、サビでは凝ったボーカル・コーラスとなっている。

 
SOAK UP THE SUN

2002年。シングル盤。アルバム収録のバージョンと1分半短い短縮バージョンを収録。「チャンセス・アー」はアルバム未収録曲。「ユアー・ノット・ザ・ワン」は日本盤ボーナストラックとしてアルバムに収録されている。

 
SHERYL CROW LIVE AT BUDOKAN

2003年。日本のみで発売されたライブ盤。

THE VERY BEST OF SHERYL CROW

2003年。ベスト盤。

5
WILDFLOWER

2005年。ギターがアコースティックまたはセミ・アコースティック中心になり、ストリングスが多くの曲で使われる。これまでで最もアコースティックなアルバム。1曲目と2曲目が全体のイメージを表している。デビュー当時の録音メンバーが再びこのアルバムで登場しており、当初の環境に戻ったと言える。目立つゲスト・アーティストもいない。前作からは大きな変化だが、デビュー盤と比べると、ストリングスが多いくらいだ。「パーフェクト・ライ」はドラマチックだ。

HITS&RARITIES

2007年。

6
DETOURS

2008年。

7
100 MILES FROM MEMPHIS

2010年。